仕事と介護の両立コラム 2021年の目標
2020年は世界史に残るほどの1年でした。とにかく生き延びる、そのために何ができるか、日々そんなことを考えていた気がします。お恥ずかしながら、当社においては事業計画も何もあったもんじゃなかったです。
変異したコロナが発見され、感染者数が一向に減らない、緊急事態宣言ぎりぎりの状態で、2021年が始まりました。
2020年の1年間を無駄にしないためにも、今年の目標をここに宣言しておきます。
1)個人支援の強化
働く介護者のためのコミュニケーションサロン「ケアラーズコンシェル」を通して、働く介護者の個別支援の強化を図ります。
この1年で、家族介護者の環境も激変しました。仕事と介護の両立は介護事業者ありきの考え方です。介護事業者への興味関心が高まったのも事実でしょうし、介護職員への感謝が尽きなかったのも事実でしょう。仕事としての介護と家族としての介護の違いを強く感じた1年だったのではないでしょうか。
また、現役の介護者は精神的な負担への不安が強い方が多いといわれますが、2020年はそれが顕著に表れた気がします。
かくいう私もとんでもなくつらい1年でした。
自分が感染することによる周りへの影響が甚大すぎて、外出が怖くて仕方なかったです。(今でも怖いです)過度な外出自粛はストレスにしかなりません。独身の私は「誰かとの会話」もありません。その上、事業も思うように進まないストレスもあり、心身のコントロールが本当に大変でした。
唯一の救いが、同居している母を預けている介護事業者が通常営業をしてくださったことです。
365日のうち359日もの間、介護事業所に母を預けました。介護費用は前年比で約1.2倍かかりました。
私は母との生活も17年目で、自分の限界も知っているし、自分が限界近くなっていることを知るすべも持っています。ある意味、仕事と介護の両立におけるストレスマネジメントができる人間です。
逆に言えば、仕事と介護の両立って、もしかしたら、ストレスマネジメントなのかもしれないです。己の状態をどれだけ正しく理解し、己の想いも含めて言語化できるかに尽きるかもしれません。それに気づけば、言語化できれば、あとは対処するだけだから・・。
ただ、仕事と介護の両立において、状況の言語化、想いの言語化ができる人は少ないと感じています。世間体や思い込みや過信や無知などがまぜこぜになって己に向き合えなくなっているのです。その上、得体のしれない新型コロナウィルスです。ひとりで対処出来るはずがないのです。
「困ったら声を上げてください」とか「ひとりじゃないです」とか「あなたの不安に寄り添います」とか言って決ましたが、己がわかってないわけですから、どれもこれもしっくりこないのは当然でした。
私は「困った時には和氣に聞け」という存在になりたくて、この活動を始めました。突然始まる介護に右往左往するのは当然です。また、いまは、全世界がパニックなのだから、仕事と介護の両立でパニックになるのも当然です。
自分の状況を把握する必要は有りません。
「おや?」「むむむ?」「はぁ」「ほぉ」「ぎゃー」なんでもいいです。
そんな時にスマホやPCのブックマークに登録してある「ケアラーズコンシェル」が目に付く、目に入る、なんなら、アクセスしてみる、という状態を目指します。
2)中小企業の仕事と介護の両立支援強化
2020年にやりたかったのが中小企業の「仕事と介護の両立という文化創造」の作業でした。啓発活動で全国回って・・・なんてことを考えていましたが、あっけなく事業計画は白紙になりました。
中小企業において、介護離職問題よりも新型コロナウィルスによる影響の方が死活問題です。ゆえに、介護離職問題にはお金はかけられない!というのが実情かもしれません。
経営がひっ迫すれば、事業を再構築しなくてはいけません。人員整理も場合によっては必要なのかもしれません。介護をきっかけに退職を希望する従業員を引き留めることもないかもしれません。
中小企業の経営者は、壮大なビジョンやぶれない信念のもと、少しでも社会のお役に立てないかと日々奔走しています。私は諸先輩には足元にも及びませんが、小さな小さな会社を経営しています。日々、精一杯です。先が見えないんです。前を向きたくても見えないのです。
こんな状況の時に「介護離職ゼロ」とか「仕事と介護の両立」について考えられる余裕がないのは十分に理解できます。
こんな時だからこそ「三人集まれば文殊の知恵」です。企業を盛り上げる、産業を盛り上げる、日本を盛り上げる、そんなビジョンを掲げて、「仕事と介護の両立支援」の切り口から、社会のお役に立てるように動きたいと考えています。
3)「仕事と介護の両立」という文化創造作業のスピードアップ
キャリアコンサルタントの所属で一番多いのは企業です。彼らの力を借りて「仕事と介護の両立」という文化創造を加速させていきます。
自分に向き合う作業を手伝ってくれるのがカウンセラーです。仕事というものを通じて自己を成長させていく作業を手伝ってくださるのがキャリアコンサルタントです。
キャリアコンサルタントの活動拠点は企業内が一番多いというデータがあります。つまり、仕事と介護の両立支援もキャリアコンサルタントの一つの課題なわけです。
仕事と介護の両立支援というと、どうしても「介護」を軸に支援しがちですが、家族介護者における、不安の多くは「精神的負担への不安」です。
1)の個人支援のところでも紹介しましたが、仕事と介護の両立はストレスマネジメントが有効と考えます。何に困っているのか、自分はどうしたいのか、そういったことを言語化できれば、問題解決へのスピードは速くなります。自分に向き合う事の大切さや、その手法を知っている人は少ないです。
そこで「仕事と介護の両立」のみならず、自分に向き合う作業を手伝ってくれるカウンセラーの登場です。また、新型コロナウィルスの影響で心の相談へのアクセスが激増しているというニュースを見ました。
これからの社会において「カウンセラー」の存在は重要になってくると考えています。彼らと一緒に仕事と介護の両立の文化も根付かせていこうと考えています。
ぜひ、キャリアカウンセラーをはじめ、カウンセラーの皆さまにお力添えを頂きたく存じます。
4)介護者支援の認知度アップ
2020年3月27日に埼玉県条例において「介護者支援条例」が制定されました。また、2020年は介護保険法施行から20周年だったということもあり、新聞各社が「介護」の切り口で特集を組んでいましたね。その中でも2020年はヤングケアラーへの興味関心が急激に高まったと感じています。文部科学省も厚生労働省も動き始めたようです。
2016年に介護離職ゼロが閣議決定され、社会的にケアラーへの注目が始まりました。しかしながら、まだまだ、介護者支援という観点からではなく要介護者本位の考え方からの仕事と介護の両立支援のように感じます。
一方、2020年に急激に注目が高まったヤングケアラーへの支援は、ヤングケアラー本人への発達支援という観点であり、まさに「介護者本位」の支援だと感じています。
対象が10代の子供なのか20代・30代の青年なのか、40代・50代の中年なのか、60代の壮年なのか、70代の高齢なのか、という年齢層によって、支援の内容や手法は異なると思います。しかし「ケアする人をケアする」という考え方には変わりません。
「仕事としての介護と家族としての介護の違い」という言い方から、介護者支援の認知度が上がるような執筆を考えています(仮)
以上です。
今年はとある有名な占いによると「7年間続いた"闇〟から抜け出し、解放の年に突入します」だそうです。
ゆえに、「2021年、今年の私は運がいい!」だから、猪突猛進していきます!
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