仕事と介護の両立コラム 「仕事と介護の両立」が出来る人になろう!その時を迎えるまでの準備
「仕事ができる人」というと、みなさんはどんなイメージを持っていますか?
●意思決定が早い
●返信が早い
●コミュニケーション能力が高い
●実行力がある
●主体的に動く
●タイムマネジメントが上手
●準備を怠らない
●感謝の気持ちを忘れない
●健康管理ができる など
その他にもいろいろ考えられると思います。
みなさんが仕事に対して上記のような特長をもって取り組んでいるのであれば、仕事と介護の両立センスがいい、と言ってもいいでしょう。
なぜ仕事でこのような特徴を持っている人は、仕事と介護の両立センスがいいと言えるのかを、今回は詳しく解説します。
仕事と介護の両立とは
仕事と介護の両立とは、仕事を辞めることなく介護も同時並行で行うことです。介護のために仕事を長期間休むのは仕事と介護の両立とは言いません。
仕事と介護の両立をするのは、要介護者でも要介護者のお世話をしてくれる介護従事者でもなく、みなさん自身です。仕事も介護も特別なことではなく、仕事も介護も生活です。
みなさんの生活において「公私」という言葉があると思いますが、「公」はいわゆるお仕事の時間、「私」はプライベートの時間を意味します。仕事と介護の両立は「公」の軸を振らさず「私」の時間をいかに大事にできるか、いかに確保できるかが肝と言ってもいいでしょう。
仕事と介護の両立とは、ワークライフバランスの一種でしかありません。仕事と介護の両立は、あなたの人生のことなのです。
介護者にとって一番大事なことは「健康」
先日、研修の後こんな質問をいただきました。
「先生にとって、仕事と介護の両立で大事にしていることは何ですか?」
私は「健康」と回答させていただきました。
介護者が健康であることは絶対条件です。
しかもそれは身体の健康のみならず、心の健康も必須です。
なぜなら、介護者は誰からも何からも守られていません。介護者だからといって、何か公的な支援があるわけではありません。介護がはじまったからと言って、誰かが手を差し伸べくれる、という事もない。
自分から主体的に動かない限り、誰も手を差し伸べてくれることはありません。
黙っていては誰もあなたを守ってはくれないのです。
介護者は孤独なのです。なので、自分の心身は自分で守らなくてはなりません。
「自分の人生を守れない人に、大事な人の人生は守れない」と研修で言わせていただくのですが、仕事と介護の両立はイベントでも特別なことでもなくて、働く介護者の生活です。
自分の生活を守るためにも、心身の健康は絶対なのです。
逆に言えば、心身の健康に不安のある方は、介護への関わり方をセーブしないと良からぬ結果を招くことにもなりかねません。
無理をした結果、介護者自身もよくない方向に進んでしまう可能性があるため、健康には十分な配慮が必要です。
仕事も介護も準備が大事
自分の生活の中で、初めての経験に遭遇して心が揺さぶられたり、不安に襲われたりすることは当たり前に経験してきたのではないでしょうか。
そのとき、初めての経験に対しての不安や迷いにおいて
自分自身が起因しているのであれば、何とかできるかもしれません。
しかし、自分以外の人が起因していると、自分ではどうにもならないことになりがちです。その一つが介護です。
自分以外の人の介護となると、その介護に対して自分が出来ることは限られていきます。
自分ではコントロールできない事態に対して、知識も経験値もないがゆえに、心身が振り回される、それが家族介護の初動ではないでしょうか。
そんな時は、仕事を思い出してください。
仕事も相手があってのことです。相手が社内のこともあるし、社外のこともあるでしょう。
想定外のことが起きることはありますよね。
仕事において想定外のことが起きた時、なぜ対処できるのでしょうか。
それは、想定外のことが起きても対応できる基礎力があったり、場数という経験があったり、想定外のことが起きたことに早く気づけるがゆえに、早期対応でリスクを抑えることが出来たり、などが考えられます。
実はこのあたりの考え方は介護も同じです。
基礎力があれば応用が利きまし、場数を踏めば協力者も現れます。相談も、基礎力がない状態の時よりもしやすくなるでしょう。
また、痛い目に合えば合うほど、それが経験となって課題の早期発見早期対応能力も長けてきます。
仕事においても介護においても、どちらも「基礎力」が必要な準備です。
基礎力の基礎「先送り禁止」
介護の準備と言えば次の3つをWCBではお伝えしています。
1)介護保険を勉強しよう
2)相談先・情報源を持っておこう
3)家族親族で将来の話をしよう
上記3つの中で最も大事なのが「1)介護保険の勉強をしよう」です。
でも、正直に言えば介護保険の勉強をしよう・・なんて、なかなか一人ではできません。
そうすると、介護の準備を先送りする事になります。仕事と介護の両立においてこの「先送り」は辞めた方がいいでしょう。先送りの癖のあるかたは今のうちに直しておくようにしてください。
総じて、仕事のできる人は仕事と介護の両立も上手です。
もちろん「先送り」などはしません。
直ぐに着手しなくても、タスクに入っているので、先送りにはなりません。
「私は仕事ができないから…」と悲観的になるのではなく「先送りしない」だけでも心掛けてみてください。
「後でやろう」は絶対ダメ!
●気づいたら、調べる
●気づいたら、誰かに聞く
●気づいたら、「動く」
これが大事です。成功・失敗に関わらず、動くとそれが経験値となって、基礎力になっていくのです。
ということで、介護の準備として、市区町村の役所の介護保険を取り扱う窓口にいって介護保険のパンフレットを入手しましょう。それを自宅に携えておくだけでも1)介護保険の勉強をしよう、を補完します。
そして、親御さんの居住区を管轄している地域包括支援センターを調べて、携帯電話に登録しましょう。これが2)相談先・情報源を持っておくこと。そして最後に地域包括支援センターの連絡先を家族親族で共有してください。3)家族親族で将来の話をするきっかけになります。
この3つから先送りせずに
直ぐやる!
今やる!
早くやる!
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