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議事録

「第8回 働く介護者おひとりさまミーティング」報告

2015.01.21

こんにちは。ファシリテーターを務めさせていただきましたワーク&ケアバランス研究所の和氣です。
2周年目の「働く介護者おひとり様介護ミーティング」のテーマは「チャレンジ!」
今回はSkypeを使って静岡のメンバーさんにオンラインビデオ参加していただきました。
初めてだったので、コミュニケーションの温度差は否めませんでしたが、設備さえあれば自宅からの参加ができるということが分かりました。これで、全国展開も夢じゃないです!

テーマ  「働きながらの介護、日常の工夫を教えて」

開催概要

[日時] 1月17日(土)14:30から
[場所] 新高円寺・アラジンのケアラーズカフェで行いました。
[参加者] 女性6名、男性2名。年齢層は40代から50代。
そのほか、オブザーバーの方にご参加いただきました。

1.働きながらの介護で、日常の工夫していることとそれによってよかったことは?

・お薬整理ボックスとお薬の一包化
待ち時間や費用などデメリットはあるが、正しくしかも私の手を使わず飲むことができるようになった。
服薬管理のストレスが減ったことがよかった。
・「介護レク広場」の塗り絵(http://www.kaigo-rec.com/
季節ごとのいろいろな塗り絵があるので助かっている。週1回のデイサービスの時にその「作品」を自慢しているようだ。
・「やりたいこと」「やらなくてはいけないこと」の優先順位を意識する
希望は小出しに言って周りに徐々に浸透させておく。すると周りも「手伝ってもいいかな」という雰囲気になってくれた。
・些細なことも情報共有
ケアマネが親身になってくれるようになった。また、妹も日々の状況が把握できるようになった。
夫婦の会話の時間も作れるようになった。
・低コストの工夫
トイレに雑誌付録のトートバッグを掛けて替えおむつを入れている。
匂い消しにドリップコーヒーの使用済みを入れている。
・こまめに吐き出す
会社を休んででも「介護者の会」に参加して、不安や想いを吐露する。
認知症介護の相談、テレフォン相談など何でもいいからため込まずに本音を言う。
・認知症の症状を運動に変える(暴れることを押さえつけるのではなく、好きに暴れさせる)
暴れる足を手で掴んで、暴れる方向に対して一緒に動かすイメージで運動に変えてしまう。足を動かすと運動量も増えるので体力維持にもつながる。
次第に本人にとっても「暴れる」がなくなって「運動」になっていった。

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皆さんのいろいろな工夫を聞くことができました。工夫が思いもよらぬ効果になったりして、工夫というのは介護者にも要介護者にも家族にもHAPPYを運んでくれることが分かりました。
皆さんの多彩な工夫をぜひ教えてください。どんどん発信していきます。

2.働きながらの介護で、どう工夫したらいいかアイデアが欲しいことはありますか?

今日は欠席されたメンバーさんから、皆さんのアドバイスをいただきたいというご質問を預かってきました。

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Q.「不安な気持ちを変換する方法、気分転換する方法を教えて」
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・お風呂で、読書やスマホで海外ドラマを観るなどの「ながら」。時間を有効活用できて一人になれるお風呂は最高です。
・時間を見つけて好きなことをする。映画やドラマを観るのが好きだが、先日時間を作って数年ぶりにドラマを観てみたら、今の状況を忘れることができてよかった。
・母(要介護者)と可能な限り一緒に歩く、散歩しながらいろんなことを話す。
・目的もなくひたすら歩くこと。頭に来ると家にいられない。朝、公園をぐるぐる回っているうちに気持ちが落ち着く。
・人に当たりたくないので吐き出したいときはお風呂で悪態をつく。その後に風呂掃除をするとすっきりする。やっぱり嫌なものを嫌なまま溜めないことが大切かもしれません。
・料理?をする。ひたすらみじん切り。冷蔵庫が常備菜で埋まっていくぐらいみじん切りをする。休日には何を作ろうかレシピサイトを見て気晴らしをしている。
・私は趣味=仕事なのですが、ひたすら何かに打ち込むこともいいと思います。
・買い物をする。スーパーなどでいろいろ見ながら1時間くらいかけて買い物をする。
・要介護者がデイサービスに行ってるときに外食して昼間遊んじゃう。
・近居介護で自宅に帰れるので自分の時間はあるが、気分転換はできない。不安にどっぷり浸かるときは浸かるしかないのかもと思う。

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総じて、「一人の時間を作る」「自分の好きなことをする」「外出する」「ひたすら何かをする」といったアイデアが出ました。
では、今度は参加者の皆さんが聞いてみたいことは何でしょう?

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Q.「仕事をしたいが在宅ワークをするしかないのか。週2~3日でも外に出る方がいい?」
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・在宅ワークは、集中力と時間の確保が大変です。母の就寝後や、週1回デイケアに行ってる間に集中して取り組む時間をつくりました。

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Q.「急にデイなどに行かなくなったときに誰かにみてもらいたい。通院の付添いも平日なのでなかなか頼めない。どうしたらいいでしょう?」
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・通院に立ち合えないときは、連絡ノート(レポート、PCで書いてプリント)を活用している
・ケアプラン(こうしてほしいという要望)を自分で作ってケアマネに渡した。ケアマネも意思をはっきり伝えたので非常に助かったようだ
・ヘルパーも病院に付き添いしてくれる。
・通院同伴の担い手がいない歯科については訪問歯科にした。

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Q.「今後どうやって働いたらいいのか?」
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・パートで数時間働ける。正社員でなくてもいいという気持ちも大事。
・仕事センターが女性向けの相談にのってくれるし、参加者同士で情報交換もできる。
・男性も専門の機関に頼ってみた方がいいのでは。
・短期でもいいから地域の近場で。長いこと遠方で働くと再就職は難しい。
・年収減や仕事内容など、キャリアを考えるとプライドが傷つくけどどっちを取るかで腹をくくるしかない。
・離職期間が長くなるほど腰が重くなる。採用する側も離職期間が短い方を好む。
・介護に限らず働き方も多様化している。大事なのはあきらめないことだと思う。
・在宅前提の求人サイトもできるらしい。(http://paraft.jp/

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Q.「就職で介護をしていると言うべきか?」
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・引け目を感じているならむしろ言うべき。入った後もつらいから。
・私は要介護者と同居であることをぼやかしながら入り、後でカミングアウトした。
・会社は分かっていても現場は分かっているわけではない。取り組みは始まっているとはいうが現場の理解がないので、後出しするよりは初めからカミングアウトした方がいい。
・堅くて古い社風のため、7年間隠し通していた。結果、ずっとC評価だったがそれでもやめなかった。
・社風によっては最初から言うのはおすすめではない。でも言う人がいれば会社も理解するようになると思う。

3.今日の感想をどうぞ。

・初めて参加したが実践的な内容でとても実になった。
・自分と同じ部分がたくさんあってためになった。
・今は働いてるのでヘルパーにまかせっきりだが、毎日必ず引継ぎノートを書いている。ケアマネや地域包括の人も普通の社会人なので期待しすぎず、自分で地道に調べて頑張りを見せれば相手も頑張る気になってくれるのではないかと感じた。他の介護者のやり方がなかなか見えてこないので、ここはとても参考になる。
・自分の体験と他の皆さんの症状はみんなまちまちで違うけど、こういうアプローチの仕方があるのかと有意義な時間でした。
・いまは在宅のジレンマからは解放されている。ケアマネには困っていることを敢えて針小棒大に言った方が効果がある。この経験がこれからの人生の役に立てばいいなと思う。
・介護にはこういう場が必要。自分だけじゃなく人と人のつながりが大事。介護者が苦しんでいれば要介護者も苦しむ。

今回のミーティングでは「介護離職」の実情を見ることができました。
とにかく、介護離職はしない方がいい。経済的不安は介護の不安を助長させます。また、自宅に引きこもることで心身ともに健康的な生活ではなくなります。
現在の段階では「介護離職」してしまった方への、就業の仕組みができていないように思います。すぐに就職できる保証もないし、離職がながくなれば長くなるほど、転職へのモチベーションが維持しにくくなります。
しかしながら介護離職は後を絶ちません。そこからの再就職は「何かをあきらめる」のではなく「何かを変える」心意気がなければ難しいのではないかと感じたひと時でした。

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という感じで
「第8回働く介護者おひとり様介護ミーティング」は無事に終わりました。
初めての試みでもあるSkypeを活用した遠距離参加。課題は多いけど、この手法が軌道に乗れば、ケアラーズカフェまで足を運ばなくてもミーティングに参加できます。東京近郊の方じゃなくても、時間も交通費もかけずにミーティングに参加できます。もっともっとたくさんの介護者の声を発信することができます。
まだまだ成長過程の本ミーティングですが、新しいチャレンジと共に社会への発信力を強くしていきたいと思っています。
皆さまの温かいご支援、ご協力を賜りたく、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

次回は3月!!

次回の第9回働く介護者おひとり様介護ミーティングは3月に開催する予定です。
詳細が決まりましたら
ケアコンメルマガhttp://carers-concier.com/
Facebook
ワーク&ケアバランス研究所ホームページなどで
ご案内させていただきます。

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このミーティングは「働く介護者・働くシングル介護者・介護離職者」の現状を社会問題として「発信」することが目的のひとつです。
NPO法人 介護者サポートネットワークセンター・アラジンの全面的なご協力、ミーティング趣旨をご理解してくださった介護者の皆さまのご協力により多岐にわたるご意見を社会に発信することができます。

なお、この内容はより多くの方にお伝えしていきたいので、皆さんのお力を借りて、介護仲間や会社の同僚、お友達や担当ケアマネージャーさんなどにも、発信していただけたら幸いです。

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