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議事録

「第3回 働く介護者おひとりさまミーティング」報告

2014.07.03

参加者の皆さま、先日はお疲れ様でした。
ファシリテーターを勤めさせていただきました和氣です。

このミーティングは「働く介護者・働くシングル介護者・介護離職者」の現状を社会問題として「発信」することを目的のひとつとしております。
よって、この場をお借りして、「第3回 働く介護者おひとりさまミーティング」の報告をさせて頂きます。

遠方の方や、都合により参加できなかった仲間にも、ミーティングで話しあわれた情報を「発信」することで、ミーティングのテーマである「あなたの経験が誰かのためになる」にもつながったら嬉しいですね。

開催概要

[日時] 3月15日(土)14:30から
[場所] 阿佐ヶ谷・アラジンのケアラーズカフェで行いました。
[参加者] 女性6名、男性5名、年齢層は20代から50代。
記者の方(朝日新聞社・日経新聞社)、オブザーバー、アラジンスタッフも含みます。
(詳細は控えさせて頂きます。)

このミーティングの特徴ですが、
毎回メディアの方に参加していただいております。
「介護離職」「お一人様介護」「働く介護者」が社会問題として興味を持たれていることが伺えますね。
さて、今回のミーティングでは、大きく3つのテーマについて話し合われました。

1.(働きながら)介護をしていて、今までで一番大変だったのはどの時期・どんなことですか?

■介護初期、介護環境が整っていない時期

<わからない!>
・相談窓口もわからず、ソーシャルワーカーの言っている用語もわからず、ネットで情報を探したくても何を検索したらいいのかわからず、「わからないことがわからない」状態。
・「介護サービスの利用」を主治医に提言された時、介護の仕組みを知らなかったので「なぜケアマネをつけるのか?」「そもそもケアマネは必要なのか?」というレベルから調べなければならなかった。
・役所の窓口をいくつも回るのに話しが通ってなく、その度こちらで事情を一から説明するのが億劫だった。
・知っていれば一度で済むはずの手続きが、印鑑や証明書類などの不備で何度も出直さなければならなかった。
・病院との打ち合わせ、ケアマネとの打ち合わせ、認定調査などとにかく打ち合わせが多い。しかも、平日。

<働けない!>
・手続きに手間取って結局会社に1か月も行けなかった。
・公休を打ち合わせのために使うことになり、自分のために使えなかった。
・当時バイトだったので収入に響いて辛かった。
・介護サービスを使って自分の時間を作ることはできるが、自分の時間を作ることに対価を払っていると思うと、憤りがある。
・「介護」を理由に休むのは職場に対してすごく気が引けた。

■介護休業中

・介護休業中は無給なので、自分の貯蓄が著しく目減りしていった。期間が終わるとき、復職してもいいのか悩んだ。

■その他の時期

・転職準備中に介護が始まってしまい、就職できなくなった。面接で介護中であることを言いにくい。
・職に就けないことや、要介護者との距離がべったりになったイライラで、いまは正直言って逃げたい。
・介護が始まってすぐに他の家族も一人また一人と病気で倒れて入退院を繰り返し、自分だけが皆を支えていた時期があった。働きたくても働けず、どぉしたらいいかわからない毎日が本当につらかった。

「介護の大変さ・辛さ」って介護度とかで客観的に計ることはできないんですよね。

2.では、どういう制度やサービスがあったら、もう少しつらくなかったと思いますか?

・働きたくても働けない。けれど、その介護をキャリアとして評価してほしい。
介護や育児という経験は人を成長させるので、その経験は業務に生かせるという捉え方を企業側でもしてほしい。
・介護休業をもっと使いやすくして欲しい。
たとえば、1年間以上の在籍がなければ介護休業は使えないとか、介護度によって日数が制限されてしまうとか、そういう制度は見直して欲しい。
・働く介護者のために、就業時間を自分で決められるような制度が欲しい。
・技術講習(おむつ交換やトイレ介助など)や情報提供(年をとることの認識や介護のための備え)を会社が社員に対して行うような取組みがあるといい。
・相談窓口の一元化。(たらい回しにされない。事情は相談員が各部署に話してくれる。)
・介護初心者に対してわかりやすく、現実的な情報提供。
例えば「役所に行くときに持っていくと二度手間にならないもの一覧」とか、「制度と書類と窓口がわかりやすく一覧になっているリーフレット」など。
・同じ様な境遇のひとと話ができる場が、わかりやすく・利用しやくすあったらいい。
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「平成24年就業構造基本調査」(総務省)によると、介護休業等制度の利用をした人は、378,000人、利用率としては、15.7%。
一方で、過去5年間に介護・看護のため前職を離職した者は487,000人おり、介護休業等の制度を取るよりも多くの人が離職をしているというのが現状のようです。
介護休業等を利用する前に、いろいろ大変すぎて辞めちゃうのが現状なのかもしれません。

必ずしも介護休業が使いにくいと言い切れないかもしれないけど、
もっと、気軽に利用できるようになるためにはどうしたらいいのでしょう。

きっと、人事部の方も経験者じゃないから何を改善したらいいのか、わからないのかも知れませんね。
ぜひ、介護者の声を参考にして欲しいですね!

3.ケアマネってどうやって探すんですか?もし仕事ぶりに不満があったら?

・チェンジできるってことを介護者の会で教えてもらったので、思い切って事業所の所長に相談したら
別の事業所のケアマネを紹介してもらえた。
・事業所に電話をしてみて、対応が感じ悪いかどうかで判断してる。
・チェンジしてもいいのは知ってるけど、人柄が悪いわけじゃないのでチェンジするのは勇気が要る。
・大きな事業所のケアマネさんは良くても悪くても定期異動で変わってゆく。後続も向こうで決める。
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ケアマネについてはなかなか辛らつな意見が飛び出してました。

ケアマネって要介護者が介護サービスを利用している限り一生付き合う人だし、
生活圏内にグイグイはいってくるから、
Aさんにとっては良くても、Bさんにとってはなんか違う、という場合もある。
じゃぁ、誰の相性に合わせてケアマネを決める?ってことになるけど・・・。
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・何でもかんでも要介護者に合う人じゃなくていいと思う。
直接的に介護してくださるヘルパーさんや訪問看護師などは、要介護者との相性が大事だけど、
ケアマネは介護者との相性も必要。
むしろ、介護環境を整える“マネージャー”である介護者とこそ合うケアマネがいいと思う。
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こんな感じでミーティングをしてました。
私が個人的に印象に残った言葉は、

『介護者はだれも助けてくれない』

私も常々感じますが、
要介護者は助けてくれる人が回りにたくさんいらっしゃいます。
法であったり、ケアマネであったり、ヘルパーさん、主治医、もちろん介護者も含めて。

でも、介護者を助けてくれるのは・・・?

「ケアマネ」という意見もありますが、
あくまでも、ケアマネは要介護者あってのケアマネですね。
例えば、介護者の就職のこと、介護者の将来のことなど、介護者を主人公とした支援はしてくださいません。
じゃぁ、誰が???

このミーティングでは、まだまだ皆さんの欲しかったコタエは出せなかったかもしれませんが、
このミーティングが心の支えのひとつになったら嬉しいですね。
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「介護者の集い」って暗くなりがちと思われそうですが、
終始笑いあり、語りあり、ケーキありで、あっという間の2時間でした。

オブザーバーでいらしていた記者のみなさん!
この声をきちんと社会問題として発信してくださいね。

また開催します!

次回は5月17日(土)14:30~です。

ご興味のある方
話したくないけど、介護者の声を生で聞いてみたい働く介護者の方
既婚者だけど、働きながら一人で介護している方
一人っ子で今後介護の予感がする方
介護制度見直し中の人事部の方
・・・などなど、
みなさんの参加自体が社会問題の提起にもなりますので、
ご都合の合う方は是非ご参加ください。

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