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仕事と介護の両立コラム 新たな両立支援等助成金「新型コロナウイルス感染症対応特例」を積極的に活用しましょう

2020.07.11

中小企業において「新型コロナウイルス感染症対応特例」は使うべき助成金であることを解説いたします。

新型コロナウイルス感染症の「介護」への影響

新型コロナウイスル感染症が、今もなお世界中で猛威を振るっています。
日本では緊急事態宣言は解除されたものの、引き続き感染予防対策は欠かせない状況です。
新型コロナウイルス感染症の流行は、「介護」に関しても、要介護者だけではなく介護の現場や仕事と介護の両立に取り組む働く介護者の間でかなり影響がありました。
例えば、デイサービスは、要介護者が自宅から施設へ通い、食事や入浴など必要な介護を受ける介護保険サービスの一つです。
デイサービスでは、今回の新型コロナウイルス感染症の流行を受け、なるべく大人数での接触をさけるために、一日の利用者数を減らして運営される事業所が出てきました。
または、感染防止のために、事業自体を休業した事業所もあります。
その結果、要介護者が予定していたとおりにデイサービスを利用できない状況が起こりました。デイサービスが利用できない要介護者が自宅に引きこもりがちになり、日常生活のリズムが崩れる、病気の症状が悪化することなどが多数報告されています。
また、仕事と介護の両立に取り組む働く介護者は、要介護者が予定していたデイサービスを利用できないため、他の代替手段となる介護サービスを検討します。しかし、新規の受け入れも控えている事業所が多いため、結局、介護サービスでの代替ができず、働く介護者自身が仕事を休み要介護者の介護をするという状況も起きています。
要介護者が通常の介護サービスを予定どおり利用できないことで、仕事と介護の両立に取り組む働く介護者も、自身の仕事と介護の両立が予定どおりに実践できなくなって苦境にたたされています。

仕事と介護の両立支援への新たな助成金

介護サービス事業所は、新型コロナウイルス感染症の感染防止のため、通常の介護サービスの運営ができない。
要介護者も、サービス事業所が利用制限や休業するため、予定していた介護サービスを利用できない。
そして、仕事と介護の両立に取り組む働く介護者は、介護の負担が増える。その結果、仕事と介護の両立が予定どおりに実践できない。
このような新型コロナウイルス感染症による仕事と介護の両立への影響に対し、両立支援等助成金に「新型コロナウイルス感染症対応特例」が新たに設けられました。
「新型コロナウイルス感染症対応特例」は、仕事と介護の両立に取り組む働く介護者が、新型コロナウイルス感染症への対応として利用できる「介護のための有給の休暇制度」を設けることで、企業が申請することのできる助成金です。ただし中小企業限定です。

新型コロナウイルス感染症対応特例による助成金申請の条件としては、
・法定の介護休業、介護休暇、年次有給休暇とは別の休暇制度であること。
・有給の休暇制度であること
・所定労働日の20日以上取得できること。
・当該制度を含めて仕事と介護の両立支援制度の内容を社内に周知すること。
・仕事と介護の両立に取り組む従業員が、要介護者の介護において、新型コロナウイルス感染症への対応として合計5日以上取得すること

つまり、この両立支援等助成金「新型コロナウイルス感染症対応特例」は、介護離職防止支援コースで必須の「介護支援プラン」の策定が不要なのです。

休暇の取得期間と助成金の申請期限

今回、新設された「新型コロナウイルス感染症対応特例」は、新型コロナウイルス感染症の流行による仕事と介護の両立への影響に対し設けられた「特例」です。
助成金の対象となる休暇の取得期間にも期限があります。
令和2年4月1日から令和3年3月31日までに、新型コロナウイルス感染症の対応による介護のために取得した有給休暇が対象です。
また、企業からの助成金の申請は、「新型コロナウイルス感染症対応特例」の支給要件を満たした翌日から、起算して2か月以内です。1中小企業当たり5名まで申請可能です。
令和2年6月15日より受付が開始されています。
もし、遡って令和2年6月15日より以前に支給要件を満たしていたことが確認できた場合は、8月15日が申請期限となりますのでご注意ください。
すでに仕事と介護の両立に新型コロナウイルス感染症による影響を受けていたり、今後、受ける可能性が予想される働く介護者である自社の従業員のためにも、ぜひ支給要件を整備されて制度の活用を行ってください。

中小企業は積極的に使うべき助成金制度です

2019年4月から年次有給休暇5日間の取得が義務化されました。この度の新型コロナウィルスの影響の前から介護者の中には、介護のために年次有給休暇を使っている従業員は少なくありません。そして、この度の新型コロナウィルス感染拡大により、頃更、有給休暇を介護に充当せざるを得なかった働く介護者は少なくないと考えます。
また、介護休業の取得率が低いことが取り上げられる昨今ですが、働く介護者からしたら、介護休業よりも介護休暇の方が取得しやすいという事実があります。ただ、介護休業も介護休暇も無給なので、であれば、年次有給休暇をまずは消化しよう、というのが現状のようです。
この度の両立支援等助成金「新型コロナウイルス感染症対応特例」は、いままで有給休暇で対応していた従業員にとっては大変ありがたい制度であり、会社にとっても都合のいい制度だと考えます。
「会社にとって都合のいい」というのは、この制度の利用には、諸条件はありますが、介護支援プランの作成や、就業規則の変更など手間のかかることは一切ありません。メールやイントラネットや通達や、朝礼で、この制度の「周知徹底」をすればいいのです。
周知徹底は介護離職防止対策の重要かつ基本の対策です。そしてなにより「有給休暇」に対しての原資が補助されるわけです。
繰り返しますが令和2年4月1日から令和3年3月31日までに、新型コロナウイルス感染症の対応による介護のために取得した有給休暇が対象なので、この特例の周知前に有給休暇を取得した働く介護者がいた場合、特例の適用に振り替えることを労働者本人に説明し、同意が得ることで、助成金の対象にすることも可能です。

なお、助成金は合計5日以上10日未満で20万円/人、合計10日以上で35万円/人です。

制度の活用と最新の情報収集を心掛けましょう

「新型コロナウイルス感染症対応特例」の助成金制度は、新しい仕事と介護の両立支援策として新設されました。
もちろん、要介護者に必要な介護サービスが、いつでもきちんと必要なだけ提供されることは重要です。
介護サービスに利用制限がかかると、要介護者の日常生活における自立に支障が出る、また場合によってはご病気の悪化にも繋がりかねません。
仕事と介護の両立に取り組む働く介護者においても、要介護者が介護サービスを予定どおり利用できないということは、仕事と介護の両立が予定どおり実践できないことに繋がります。
また、新型コロナウイルス感染症に関する事態が一日も早く収束することを願いますが、もしかしたら、この先しばらくは、我々の生活の中でこの新しい感染症との共生を考えていかなければならないのかも知れません。
そして、今後も、世間ではこの度の新型コロナウイルス感染症の流行のように、いつ何が起こるかわかりません。
もし何らかの不測の事態が起こっても仕事と介護の両立を実践していくために、仕事と介護の両立に取り組む働く介護者として、自社の従業員の仕事と介護の両立支援に取り組む企業として、双方で活用できる制度はぜひ積極的に活用していきましょう。
そのためにも、介護や仕事と介護の両立に関する最新の情報には常にアンテナを張り、情報収集を心掛けておくことは重要です。
働く介護者としてご自身の仕事と介護の両立を成功させるためにも、企業においては仕事と介護の両立支援の体制整備を充実させるためにも、制度の活用と最新の情報収集を心掛けましょう。

毛利紗代(もうりさよ)写真

毛利紗代(もうりさよ)

1976年生まれ
50代で若年性認知症を発症した父親を介護するシングルケアラー
気づけば介護者歴十数年。その間に自身も介護離職を経験する。その後、再就職・転職をしつつ、現在、仕事と介護の両立を実行中。
自分と同じシングルケアラーとの出会いに救われた経験をもとに、介護者支援活動にも取り組む。

参照

厚生労働省
両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)
「新型コロナウイルス感染症対応特例」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/ryouritsu01/index.html
リーフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/000644721.pdf
「年5日の年次有給休暇の確実な取得わかりやすい解説」
https://www.mhlw.go.jp/content/000463186.pdf
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