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仕事と介護の両立コラム 施設入所という選択肢について

2016.08.17

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家や家族の在り方が多様化していく現代社会の中で、施設入所も家族介護における選択肢の一つであり、家族介護の延長であるということを解説いたします。

介護がはじまり変わる生活

家族が何らかの病気や障害などを抱え要介護者となったときから、介護のキーパーソンとなる家族の介護者生活も始まります。
個人差はありますが、多くの介護者にとって、新たな介護生活はこれまでの暮らしから少なからず何らかの変化が生じるでしょう。
仕事を抱えている働く介護者は特に、仕事と介護の両立に悩むことも出てくるかもしれません。
働く介護者にとっても、または外で仕事をしていない介護専念者にとっても、どちらにしても多くの介護者にとって、介護サービスや介護保険制度など、これまでの暮らしの中ではそれほど気にも留めずに過ごしてきたような事柄が、日常の中で中心になるような日々が想定されます。

施設サービスを考えるとき

介護が始まり介護者となった家族は、介護が生活の中心に変化していく日常の中で、様々な介護サービスを検討し、おそらく何らかのサービスを利用することとなります。そのような中、要介護者の施設入所を検討することも出てくるかも知れません。
そしてそれは、実際に要介護者の病気や障害の容態が悪化し、要介護者の心身の状態から在宅サービスでは対応が困難な場合もあれば、介護者である家族の在宅介護における対応の困難さからの場合もあるでしょう。
仕事との両立や他に何らかの生活上の物理的な理由からの場合もあれば、要介護者の介護に対する精神的な理由からの場合も考えられます。
近年、高齢化に伴う要介護者の増加を受け、公的または民間の介護サービスの充実が図られる中、介護サービス利用において、介護者への物理的な支援は以前に比べ幾分充実してきているかと思われます。
ただ、受けられるサービスの種類が増えることで、介護生活を送る介護者の精神的な支えとなるかということは、また別かも知れません。
どんなに在宅サービスを駆使し利用していても、終わりの見えない介護生活を送る介護者は、物理的なことでは解決できない精神的な辛さを抱えることも少なくないからです。

施設入所を選択すること

要介護者の心身の容態や介護者の仕事など日常生活における介護以外の事柄との兼ね合い、そして介護者自身の介護に対する精神的な理由から、要介護者の施設入所を選択すること、これもまた介護生活の現状でもあります。
しかしながら、日本社会の中で、特に家や家族の在り方に対する歴史や文化的背景もあり、家族介護に対する日本人的な美徳が未だ根強く残っている風潮があることは否めません。
高齢の親をその子が介護すること、さらにその場面があたかも在宅介護であることが前提で認識されていること、そのような日本人的価値観を持たれていることも少なくないからです。
もちろん、その価値観も美徳も、決して悪いことではありません。
しかし、これだけ家や家族の在り方に対する考え方や形が、個人の結婚観や人生への考え方が多様化しています。在宅介護も入所介護もその価値観は他者に否定できるものではありません。
家族介護においても、施設に入所し利用料を支払い施設サービスを受けるという方法が、要介護者そして介護者にとっても、介護の選択肢の一つであるということが一般的に受け入れられるべき時代が来ているのかも知れません。

介護は終わらない

それでも、介護の苦労から精神的に追い詰められた介護者が、やむを得ず要介護者の施設入所に踏み切った場合などは特に、介護者は自分で在宅介護を諦めてしまった自責の念にかられることも介護者の悩みとして聞かれます。
しかし、一方で、施設入所に介護の手段を切り替えたことで、心身ともに追い詰められていた状態から解放され、実質的な介護を施設サービスに任せることで、要介護者との家族としての関係性をこれまでより取り戻したという意見も聞かれます。
例え家族と言えど、要介護者・介護者双方の自立した生活スタイルを取り戻した結果、精神的に余裕が生まれるのかも知れません。そして、それもまた、前述した家や家族の現代の在り方でしょう。
さらに、現在は、介護状態が重度化した方の入所する施設に限らず、自立度の高い方の住まいとしての位置づけになる高齢者の住居型施設など、入所施設の種類や数も増加しており、施設入所に至ってもその選択肢はたくさんあります。なにより、在宅を離れ施設入所を選択しても、家族としての関係性や家族としての介護が終わることはありません。
場面が変わっただけで、家族を想う気持ちや容態を心配する気持ちは家族として変わりありませんし、実際に家族だからこそ施設入所後も対応に追われる状況もあり得ます。あくまで、介護の形が変わるだけ「それも介護」です。

参照

厚生労働省
「公表されている介護サービスについて」
www.kaigokensaku.jp/publish/
ワーク&ケアバランス研究所
「第10回 働く介護者おひとり様介護ミーティング
介護をしながら働き続ける~施設入所という選択肢~」
https://wcb-labo.com/
長崎シングル介護を考える会
「介護者の声」
「ブログ」
http://singlekaigo.jimdo.com/

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