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仕事と介護の両立コラム 介護離職の背景と実態

2016.01.02

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まずは介護離職者に関する代表的な調査結果を取り上げ、介護者の実態を調べます。これらにより介護離職の背景を探ります。机上論ではなく、実体験を可能な限り交えながら解説いたします。

介護離職者に関する代表的な調査

総務省が公開している「平成24年就業構造基本調査結果」によれば、平成19年から24年の5年間に、介護・看護のため前職を離職した者は48万7千人で、うち女性は38万9千人で約8割を占める状況です。注目すべきポイントは女性の割合の高さ、すなわち偏りです。

また平成23年10月~24年9月の1年間だけみると、介護・看護のため前職を離職した者は10万1千人となっています。各種メディアなどで、介護離職者は年間10万人と報道されている根拠は、こちらの調査によるものです。

介護離職者の実態

では、この10万人の介護離職者は、現在どうしているのでしょうか。以下のとおり、調査結果から特徴をまとめました。

年齢別では中高年が多い

みずほ総合研究所によれば、40~59歳の層が5割台(平成24年)です。性別と前職が正社員か非正社員かにより、若干異なります。

再就職活動は苦戦している

前記のみずほ総合研究所の調査によれば、離職者のうち再就職した人の割合は48%です。極端な例では、100社以上応募してもほとんど場合、書類選考さえも通過しない地方在住者の方もいます。

再就職できても収入は激減

明治安田生命福祉研究所の調査によると、介護をする前と介護離職した後の再就職先では年収が激減しているという結果があります。
男性においては約557万円だった年収が約350万円、女性においては約350万円だった年収が約175万円と5割減という実態が浮き彫りになりました。

介護離職の背景

平成25年に放送されたNHKクローズアップ現代「どうする介護離職~職場を襲う“大介護時代”」では、介護イコール離職という思い込みを大きな問題としています。

では、この思い込みに至る要因は何でしょうか。そもそも我々は核家族化世代であり、その育ってきた生活環境において「介護」が身近にない状況であった方が多く「介護」というもの自体を知らないということが考えられます。また、「介護は嫁がやるもの」「介護は女性がやるもの」という概念が残る中、女性の社会進出により共働き世帯が増え、家族介護が始まったら夫婦のどちらかが退職し介護をするという状況を生んでいます。実際、介護離職者の8割が女性であることがそれを裏付けています。さらに言えば介護保険の背景には「家族だけでは介護に限界があるので、外部の手助けシステムを作ろう」という概念があります。つまり、介護を担うのは「まず家族」という考え方がその根底にあるのです。

介護離職の背景には、家庭環境も少なからず影響しています。一例では以下の点が挙げられます。

家族構成(一人っ子)

一人っ子に共通な現実と心情として、背負う介護の宿命があると考えています。一人っ子同士の夫婦が同時多発的にお互いの両親合わせて4人を介護する状況というのも想定の範囲内です。団塊世代が担ってきた家族介護と団塊ジュニア世代が担う家族介護のスタイルは大きく異なるのです。

居住地(遠距離介護)

親元から独立している場合には、介護のために親元に移動する必要があります。その際に必要なものはコスト(お金・時間・体力)です。「住み慣れた地域で最後まで」という親を思う子の気持ちが、子の生活や精神を追い込んでしまっていることもあるようです。

最後に

ここまでいかがでしたでしょうか。介護離職の背景と実態のデーマに実体験を織り交ぜて解説しました。まずは、介護離職と介護離職者について、少しでも理解が深まることを願っています。

参照情報

平成24年就業構造基本調査結果 (総務省)
懸念される介護離職の増加 (みずほ総合研究所)
働く人による介護の実態 – 男性介護者に注目して (ニッセイ基礎研究所)
どうする介護離職~職場を襲う“大介護時代”~ (NHKクローズアップ現代)
親が元気なうちに始めることがある (nikkei BPnet)
一人っ子が背負う介護の宿命 嫁いだ一人娘が親を思う気持ち (ブログ)
『遠距離介護』が働き盛りを襲う!(週刊東洋経済)
増える介護離職 その背景と対応策とは (キャリコネ)
仕事と介護の両立と介護離職に関する調査結果(明治安田生命福祉研究所)

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