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仕事と介護の両立コラム 介護保険制度と自己負担の見直し

2018.07.11

介護保険制度における2018年8月からの負担割合の改正や、介護サービスを活用する上での介護者の経済的負担について解説いたします。

要介護者の増加

世界でも類を見ない長高齢化社会となっている我が国において、病気や障害を理由に何らかの介護(支援)を必要とする高齢者も急速に増えているところです。
また、要介護状態の重度化や介護を必要とする期間の長期化から、国全体で高齢者介護に要する費用も年々著しく増加しています。さらに、少子化による核家族化や夫婦共働きなど家族や家庭の在り方にも近年変化が見られ、家庭内における要介護者となった家族の介護を担う家族介護者の介護力も低下し、介護を要する高齢者を家族だけでは支えられなくなってきています。
このような状況の中で、家族の負担を軽減し、介護が必要になっても安心して介護(支援)を受けながら暮らせる社会を作るための制度が介護保険制度です。現在の我が国において高齢者介護を考えるとき、利用する内容に個人差はあれど、この介護保険制度はもはや避けては通れないものとなっています。

増え続ける介護に要する国の費用

要介護状態になっても、その人自身の尊厳を保持し、出来る限り自立した日常生活を営むことができるように、保健・医療及び福祉サービスを総合的・一体的に提供する仕組みが介護保険制度ですが、その財源は、サービスの給付に必要な費用の半分を公費(国・都道府県・市町村からの負担金)でまかない、残りの半分を40歳以上の方から徴収する介護保険料でまかなっています。
先に述べたように、増え続ける高齢者介護に要する費用に対応するために、この保険料も多くの保険者(各市町村)において、3年ごとの見直しのたびに少しずつ増額している現状があります。
また、介護保険サービスを利用した際の自己負担割合は通常1割ですが、2015年度の介護保険制度改正において、高齢者世代内で負担の公平化を図っていくために、一定以上の所得がある高齢者においては、介護サービス利用時の自己負担割合が2割に変更になりました。

介護サービス利用料自己負担割合の見直し

さらに、今年度平成2018年度の介護保険制度改正においては、高齢者世代内に限らず、現役世代である若年層も含めた世代間・世代内の公平性を確保しつつ、介護保険制度が今後の高齢化社会の中でも持続可能性を高めるために、2015年度の介護保険制度改正において介護サービス費用の2割を負担されることとなった高齢者のうち、特に所得の高い層の方においては、2018年8月より3割を負担されることになっています。
要件は、「合計所得金額220万円以上」かつ「年金収入+その他合計所得金額(合計所得金額から、年金収入に係る所得を除いた金額)340万円以上(2人以上の世帯の場合463万円以上)」の方です。
このようなサービス利用時の負担割合については、介護保険の認定を受けると各保険者から届く「負担割合証」に記されています。
要件については、一見わかりにくい場合もあるかも知れませんが、この「負担割合証」で負担割合を容易に確認することができ、また担当のケアマネジャーや利用するサービス事業者へも提示する必要があるので、要介護認定が記してある介護保険証と一緒に保管されておくと良いでしょう。

自己負担を軽減するための制度

このように、3年に一度行われる介護保険制度の改定時や場合によっては必要な時期に、介護保険料もサービス利用時の自己負担割合も見直されているところです。
国として、増え続けることが予想される介護保険に関する費用をどうまかなうかや、介護保険制度そのものの持続可能性を高めるために、高齢者においても現役世代並みに所得がある方については自己負担を3割に増やすことになりました。
しかしながら、そもそも介護はいくら介護保険制度を充実させても、措置から契約へ移行され「お金を払って介護サービスを購入する」システムへと変化したわけです。
制度を活用し介護するには、そのための費用が必要だということです。在宅介護、施設介護(入所)どちらにおいても、介護を家族での対応に限らずサービスで担う場合、介護費の支出は決して小さなものではないかも知れません。
もし、家族介護に際し経済的な課題を抱える場合、そのために働く介護者が介護に専念することを選択し介護離職をするなど、不本意な選択をしてしまうこともあるかも知れません。
現代の我が国において、特に働く介護者の仕事と介護の両立を考えると、介護保険サービスの活用は不可欠と思われますが、そのために家庭で担う介護費への課題は、要介護状態が重度化したり、介護が長期化するとなお大きなものになり兼ねません。介護保険制度は上記のように保険料・利用料が存在します。
しかし、利用者負担の上限額が設定される高額介護サービス費等の支給や、医療保険・介護保険の両方から自己負担に対し負担軽減を図る制度もあります。これら負担軽減の制度も同時に確認し、利用できる制度はぜひ活用されることをお勧めします。
介護とそのための費用の課題をどう解決してくかは、働く介護者が不本意な介護離職をせず、仕事と介護の両立を行っていく上でとても大切な課題です。

参照

厚生労働省 平成30年8月から現役並みに所得がある方
file:///C:/Users/User/AppData/Local/Microsoft/Windows/INetCache/IE/1XW8E637/20180608.pdf

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