仕事と介護の両立支援と従業員の年齢層

介護離職のない社会の創造を目指すWCB > 仕事と介護の両立コラム > 仕事と介護の両立支援と従業員の年齢層
2018.05.06


我が国における家族介護の担い手の変化を解説し、両立支援を考える際に自社の従業員の中でも重要となる年齢層について説明します。

増える要介護者

我が国において、少子高齢化が社会現象となっていることは日々メディアでも取り上げられており、あらゆる場面において、社会の中で今もこれからも大きな課題であることは否めません。
それは「介護」に対しても例外ではなく、むしろ介護における少子高齢化の課題は、対応を急がれるべき課題の一つになっています。
2025年には、いわゆる団塊の世代の方々が75歳以上の後期高齢者層になります。一般的に、75歳を超えると、心身の状態に何らかの支援(介護)が必要になる可能性が大きく高まると言われており、公的な介護保険制度でいうところの、要介護・要支援認定者が増える状態になります。
要介護・要支援認定者数をみると、2017年度では65歳以上の高齢者の6人に1人(18,0%)であるのに対し、今後も認定率が2017年度と同水準で推移すると仮定した場合、2030年度には同じく65歳以上の4人に1人(22,8%)に達すると推計されます。
つまり、65歳以上の方の4人に1人が、心身になんらかの支援(介護)を必要とされる状態になるであろうということです。高齢化とともに、何らかの支援(介護)を必要とされる方々も急速に増加します。

家族介護の担い手

上記少子高齢化に伴い、要介護・要支援者の数が増加していくことが予測される一方で、それらの介護を担う現役世代の数は減少していきます。
2017年度には1人の要介護・要支援者を11,8人の現役世代(15~64歳)で支えていますが、団塊の世代の方々が75歳以上となる2025年には、その支え手となる現役世代の数は9,2人、さらに2030年度には8,0人にまで減少することが見込まれ、多くの方にとって「介護」に直面する可能性がより高まることが予測されます。
さらに、注目すべき点は、40歳代後半以降の兄弟姉妹数は大幅に減少しており、親などの家族に介護が必要となった場合の、兄弟姉妹間における一人当たりの介護の負担割合が相対的に高まっているということです。
親世代が団塊の世代であっても、その子である団塊ジュニア世代の数は必ずしも比例しません。また、夫婦共働きの増加、未婚率の上昇など、かつて我が国の家族介護で多くみられた専業主婦が親を介護するといったケースは大幅に減少し、その代わりに、同居または別居の子(要介護者の実子)が家族介護の担い手となる割合が高まっていることがわかっています。
介護における家族介護の担い手も、時代の変化と共に結婚観や家庭の在り方も多様化する中、変化がみられるのが近年そして今後予想される特徴と言えるようです。

働く介護者の年齢層

先に述べたように、近い将来、我が国において、誰もが介護に直面する時代になることが予想されていますが、中でも働きながら介護をしている働く介護者の数は、2001年に282,1万人だったのに対し、2016年には396,8万人に増え、15年間で約1,4倍に増加していることがわかっています。また、働く介護者を年齢別にみると、50歳代が最も多く、60歳代も含めて1割を超えています。
就業者の年齢構成では団塊ジュニア世代を含む40歳代が最も多く、このことから、今後この団塊ジュニア世代が50歳代になっていくことを考えると、2030年にかけて50歳代が企業の人員構成上最も多くなることが予想されます。
団塊の世代である親も75歳以上の後期高齢者となり、要介護・要支援者となる確率も高い年齢層となります。
50歳代となった現在の40歳代の団塊ジュニア世代の方々が、先々働く介護者となる状態が急激に増えることが考えられるのです。どの職場でも、企業内における50歳代といえば、経験も豊富な生産性の高い労働者層であることも珍しくないかと思われます。組織内で重要なポストに就いている方も少なくない年齢層でしょう。
50歳代の年齢層の介護離職や介護を担うことによる労働者としての生産性の低下は、雇用する側の企業においても、経営に深刻なリスクとなりかねないかも知れません。

急がれる企業としての取組み

さらに、今現在、実際に家族介護の担い手となっていない人においても、自身の親が要介護・要支援者である人の割合では50歳代を超えると急激に高くなり、また40歳代後半においても約12%の人が要介護・要支援者の親がいることが推計されます。40歳代後半の12%の人が、今、40代ですでに家族介護を担う可能性があるということです。
現在、公表されている様々な調査結果などから主な家族介護の担い手が50歳代であっても、より注目しておくべき点は現在の40歳代の労働者層です。
この現在の40歳代の労働者層に対し、自社の仕事と介護の両立支援や介護離職防止に対する取り組みがすでに考えられているかどうか。現在の40歳代の労働者層が、ご自身そしてその親と共に年齢を重ね「介護」を現実的に考えるときが目前に迫っているということ。
介護離職防止や仕事と介護の両立支援は、実際に自社の従業員に家族介護の状況が発生してから取り組んではいけません。
介護は多くの場合、誰しも病気や障害を理由に突如始まるものですし、その突如はじまる家族介護に柔軟な対応がすでに準備されていることが重要です。
介護離職防止や仕事と介護の両立支援は、もはや自社の従業員に介護が起こってから対応するのではなく、事前に予防する時代なのです。

参照

一般社団法人 日本経済団体連合会
仕事と介護の両立支援の一層の充実に向けて
~企業における「トモケア」のススメ~
第1章 介護離職をめぐる現状と課題
Ⅰ.誰もが介護に直面しやすい社会構造への変化
http://www.keidanren.or.jp/policy/2018/034.html

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