介護報酬改定と仕事と介護の両立プランの見直し

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2018.03.30


平成30年度に予定されている介護報酬改定による自己負担額の増加、それにともなう仕事と介護の両立について体制を見直すことの重要性について解説します。

介護保険における介護報酬のしくみ

現在、我が国において、高齢者介護を考える場合、「介護保険法」それにともなう「介護保険サービスの利用」はなくてはならないものとなっています。
もちろん、病気や介護・生活状況によって個人差はありますが、多くの場合65歳以上(医療保険に加入し、介護保険法による特定疾病を患う方で40歳から64歳)の要介護状態の方は、何らかの介護保険サービスを利用されている方がほとんどです。
ここで改めて介護保険法における「介護報酬」についてご説明します。
介護報酬とは、各介護事業所が提供した介護サービスに対し支払われる料金のことです。介護報酬には「基本報酬」と「加算(減算)」があります。
基本報酬とは各事業所のサービス内容に対し設定された基本的な単位(料金)です。
基本報酬に対し、さらに何らかのサービス内容を増やしたり支援体制の整備を行うことで単位を上乗せすることを「加算」といいます。
また、逆に、基本的に設定された提供されるべきサービス内容を提供出来なかったり、決められた支援体制の整備が出来なかったなどの場合は、基本報酬からの「減算」があります。

介護報酬改定と介護事業所の動き

介護保険法では、その内容や介護報酬について3年に一度改定をすることが決められています。
平成30年度は、前回の介護報酬改定からその3年ぶりの改定となる年です。
介護報酬では先で述べた基本報酬自体が「引き上げ」または「引き下げ」になるケースと、加算(減算)が新たに「新設」またはこれまでの内容に「強化」されるケースがあり、介護報酬改定には多くの関係者や有識者が何度も議論を重ね検討ののち決定されます。
しかし、3年前の2015年に行われた前回の介護報酬改定では大幅なマイナス改定が打ち出され、結果的に多くの介護事業所が経営困難や倒産などに追い込まれ、マイナス改定の影響が非常に大きく残りました。
今回の介護報酬改定では、前回の改正後の結果もふまえ、全体で0.54%の微増となる予定です。
微増とありますが平成30年度の介護報酬改正(案)をみると、これは基本報酬の変更もさることながら、概ね何らかの加算が増えるということのようです。
加算が増えるということは基本報酬に上乗せされる報酬が増えることであり、介護事業所はより多く介護報酬を得るために加算が設定されたサービスへの取り組みを強化するなど体制を整える動きがみられることが予想されます。

要介護者のケアプランにどう影響するか

では、介護事業所がより報酬を得るために加算が設定されたサービスへの取り組みを強化するということが、要介護者本人のケアプランにどう影響するか考えてみましょう。
現在、介護保険のサービス利用料の自己負担割合は、利用料全体の1割または2割です。
介護報酬改定にともないその単位(料金)が増えるということは、要介護者へ請求される自己負担額も当然増えることとなります。
より質の良い介護サービスが提供される分、加算された単位(料金)を利用者本人も支払うことになるのです。
また、介護保険では認定された要介護度別に、その月に保険適用となる「限度額(区分支給限度基準額)」が予め設定されていますので、加算等が増え利用に対し必要な単位(料金)が増えると、ケアプランの内容によっては、これまでと同じサービス利用でひと月の保険適用となる限度額を超えてしまうこともあり得るかも知れません。
限度額を超えた利用料については保険適用とならず、原則10割負担となります。
経済状況に個人差はあるとしても、支払う自己負担額が増えたり、1割または2割の利用料が10割となれば、サービスを減らすなどケアプラン全体を見直す必要が出てくるかも知れません。

仕事と介護の両立プランの見直し

介護報酬が改定され加算等が増え、結果自己負担が増えた場合、上記のように要介護者自身のケアプランの内容に影響を及ぼすことが十分あり得ます。
そして、それは多くの場合、利用料を増やさないために、また保険適用となる限度額を超えないために、サービスを減らすような見直しになることが懸念されます。
では、介護保険サービスを利用している要介護者の家族介護者であり、要介護者が介護保険サービスを利用することで、仕事と介護の両立を図っている働く介護者にとってはどのような影響があるでしょうか。
加算等によって増えた自己負担額に対し経済的負担が増えるかも知れませんし、もしくは利用するサービスの量をこれまでよりも減らし、自らの実質的な介護によって介護サービスを減らした分を補うことで介護負担自体が増えるかも知れません。
さらに、平成30年度は、在宅サービス・施設サービスどちらに対しても何らかの介護報酬改定が行われる予定です。
多くの要介護者、そしてその家族介護者が影響を受けることが予想され、いずれにしても、要介護者自身にとっても、また家族介護者にとっても、何らかの負担が増えることは避けられそうにありません。
担当のケアマネジャーまたは最寄りの地域包括支援センターへ相談するなど早めの情報収集を行い、ご自身の抱える要介護者のケアプランを確認し、仕事と介護の両立のための体制を再度見直すことをぜひお勧めします。
また、自社の従業員への働きながらの介護を支援する部署におかれましては、上記のような情報の発信は働く介護者となっている従業員への支援として有効かと思われます。

参照

【徹底解説!】平成30年度介護報酬改定総まとめ
https://kaigorobot-online.com/contents/113
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