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仕事と介護の両立コラム 経団連:介護離職予防の取組みに関するアンケート調査結果①

2018.01.29

経団連のアンケート調査の結果を用いて企業における両立支援の現状を解説し、企業側が現在の認識を改める必要性についてご説明します。

従業員の仕事と介護の両立を考える

2025年に団塊の世代が75歳以上となることが予想されている超高齢化社会が目前に迫る我が国において、その高齢者となった団塊の世代の主たる家族介護者が、その年代から往々にして仕事と介護の両立を担うことになるであろうことも予測されています。
職場においては重要な生産性の高い労働者層として、また家庭内においては少子化や家族形態の変化もさらに深刻化が予想される中で家族介護の担い手として、職場と家庭どちらにおいても重要な立場を強いられることでしょう。
そのような中、昨年、経団連の雇用政策委員会と労働法規委員会の企業委員に向けて、「介護を事由とした社員の離職の予防に関する主な取組み」に関するアンケート調査が実施されました。

両立支援に関するセミナーの開催

まず、仕事と介護の両立がしやすい介護体制の構築に向けた社員への支援として、「介護に関するセミナーや説明会等の開催状況」の結果をみていきましょう。
仕事と介護の両立支援に関するセミナーや説明会等の開催をしている企業は、6割弱の回答となっています。
提供している情報としては、「介護保険制度のしくみや公的介護サービスの内容」次いで「介護を行う際の心構え」「地域包括支援センターの概要」「社内の両立支援制度の紹介」と続きます。
一見、内容としましては、特に問題なく妥当な内容かも知れません。
介護を抱える状況が現在はなく、「介護」というものがまったく初めての職員に対しても、また現在介護中で、現に仕事と介護の両立にすでに取り組む社員に対しても、改めて求めたり確認したりするにあたり有効な内容となっています。
しかし、ここで注目すべき点は、それらのセミナーや説明会等の開催が、未だ6割弱の企業でしか取り組まれていないということです。
セミナーや説明会等の開催は、いわば企業内における制度の対象者の有無に関わらず、また仕事と介護の両立支援が企業内でどれぐらいの受容があるかなどの確認がなされなくとも、取り組みを始めることが出来るまずは最初の一歩です。
今、まだこの6割弱という結果はかなり少なすぎないでしょうか。

従業員へのメッセージの発信

次に、介護に直面した社員が仕事と介護を両立できる職場づくりとして、「経営トップからのメッセージ発信」の結果に注目します。
これは、企業の経営者側が自社の従業員に対し、自社の仕事と介護の両立への取組みやその支援体制について、取り組みや支援にあたり企業として、また上司として、心構えがあるということをどれだけ伝えているかということです。
結果は、「発信している」がおよそ3割。「発信にむけて検討している」との回答がおよそ4割弱と言う結果になっています。
残念なことに、残りの企業からは、「発信する予定はない」との回答でした。
自社の仕事と介護の両立支援に関する情報や取り組み、そのことを従業員にむけて発信する必要性に対し、企業側が未だこのような認識であり心構えでしかないということです。
これは何度も言うようにたいへん残念な現状ですし、それだけ社会全体に向けても、自社の取組みを発信できていないということにもなり兼ねません。それは、社会全体における自社の評価についても、マイナスな印象でしかないと思われます。

アンケート結果から

上記の結果をみて、ここで改めて考えて頂きたいこと。
それは、このアンケートは多くの一般企業にむけて行われたものではなく、雇用政策委員会と労働法規委員会の委員企業、すなわち「雇用や労働環境に関心の高い企業」へ向けられたアンケートであるということです。
しかしながら、社員への両立支援に関するセミナー等の開催や経営トップからの従業員に対する両立支援に関するメッセージの発信においてこの結果でした。
雇用や労働環境に関心の高い企業ですらこの結果であるとすれば、日本の企業全体ともなれば、もっと低い結果が容易に予想されるのではないでしょうか。
企業内において、自社の従業員に対する仕事と介護の両立支援やその対応、制度整備が急がれる中、未だこのような結果では、超高齢化社会が目前に迫っている我が国において、幾分悠長すぎるかも知れません。
「今、これだけ整備が進められている」ではなく、「まだ、ここまでしか進められていない」と認識されることがまずは必要かも知れません。

参照

介護離職予防の取組みに関するアンケート調査結果

2018年1月16日
一般社団法人日本経済団体連合会

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