Tel:03-6277-5456

仕事と介護の両立コラム

職場に求める理解の具体性

2017.11.16


働く介護者の職場に求める介護への理解を、より具体的に確認し合うことの重要性を解説いたします。

ライフスタイルの変化から

2025年に団塊の世代が75歳以上の後期高齢者層になることが予測されており、我が国においていよいよ本格的に超高齢化社会が目前に迫っています。
また、戦後の高度経済成長期が過ぎた現在、日本人の働き方、そして結婚観や家庭の在り方なども考え方は十人十色様々で、それら新しい価値観や多様性を承認する傾向も一般的になりつつあります。
そのように国民一人ひとりのライフスタイルやワークライフバランスへの考え方が多様化してきている昨今、介護においてもその多様化は同様で、これまで家庭の中で妻や嫁、または娘などの女性が家事労働の中で担ってきた家族介護も、その形態や考え方も多様化しています。
さらに、先に述べた超高齢化社会を迎えようとしている今、ライフスタイルやその考え方は変わりながら高齢となった親の介護は自体は変わらずあり、むしろ年齢層の増加から考えられる要介護者数は過去最多となる予想です。
多様化するライフスタイルの中で家族介護の形も変わり、故に介護を担うにあたり家族介護者が求める支援も個々人によって変化していくのは自然なこととも言えます。

多様化する家族介護の形

このように、ライフスタイルが多様化した家族介護者が、自身の介護生活の中で介護のために求める支援も様々です。
一昔前のように、家庭内に専業主婦の妻や嫁などの女性がおり、家事労働の中で家族介護が担われてきていた頃と違い、親世代と同居していなかったり、同居であっても子ども世代は共働きで日中は不在であったり、そもそも子ども世代は結婚していなかったり、各家庭の家族の在り方も以前と比べ多様になっているからです。
家族の形が多種多様な状況であれば、その中で行われる家族介護も多様になり、求める支援も介護者個々人で違ってきます。
そして、それは働く介護者にとっても同様で、「外に出て働いている」という状況こそ同じであっても、家庭や家族の在り方は各人それぞれであるため、故に職場に求める仕事と介護の両立における支援の内容も変わってくるのは当然です。

両立支援で大切なこと

現在、各企業内においても、仕事と介護の両立支援や介護離職防止への取り組みを考えるとき、諸制度の整備や相談窓口の設置など、今後社会全体で想定される働く介護者の増加についての取り組みが試行錯誤されていることかと存じます。
今後、介護を必要とする高齢者層が増えることが想定される中、仕事と介護の両立支援、介護離職防止への各企業における取り組みは、地域性や職種の分野に関係なくもはや必須と言えるでしょう。
現在、家族介護の状況を抱える働く介護者の中からも、すでに自身の職場に求める支援や今後さらに検討して頂きたい課題など、日々多くの声があがっています。
ここで、働く介護者となった従業員への支援を考える企業としては、諸制度の整備や相談窓口の設置などを真っ先に思いつき検討されるかも知れません。それはもちろん大切なことです。
しかしながら、企業内における働く介護者への支援体制を整える上で、諸制度の整備や相談窓口の設置と同じぐらい大切なことがあります。
それは、前項で述べたように、介護者のライフスタイルも家族介護の形も、介護者各人様々で多様化しているという点です。

何に対して理解して欲しいか

このように、ライフスタイルや家族介護の形が介護者各人で様々であり、職場に求める働きながらの介護への理解も多岐にわたります。
一言で、「働きながらの介護に対する職場の理解が重要」と言っても、一人ひとり求める内容は違う可能性があるということです。
では、企業内において仕事と介護の両立支援を考えるとき、何に留意する必要があるのか。
それは、自社の働きながらの介護を行っている従業員一人ひとりが、「何に対して」職場に理解を求めているのかという個々人の抱える「具体性」です。
例えば、「要介護者の医療機関への受診付き添いのため、月に二回は平日の休みが欲しい。」「就業時間中に、緊急な私用の電話が入るかも知れないが許可して欲しい。」「始業時間に間に合わない出勤が突発的に起こるかも知れない。」などです。
このような働く介護者となった従業員個々人の職場に求める理解して欲しい内容を具体的にきちんと聞き取り把握し、自社の仕事と介護の両立支援への取り組みと従業員個々人の事情との折り合いを付けておく。これが両立支援においては不可欠で、諸制度の整備と並行して留意されるべき視点かと思われます。
もちろん、働く介護者自身である従業員においても、職場や上司、他の従業員等に、求める内容を具体的に示しておくことは同じく重要で、具体的に伝えなければ、そもそも家族介護の立場を知らない人にはその具体性までは察することが難しい場合もあり得ます。仕事と介護の両立支援へ取り組む企業と働く介護者となった従業員双方の立場から、働く介護者が「何に対して」職場に理解をして欲しいのかきちんと確認し合うことが重要であり、その双方の確認が次の手段への具体性にさらに繋がっていくことでしょう。

参照

「仕事」と「介護」の両立ポータルサイト
http://wwwa.cao.go.jp/wlb/ryouritsu/index.html
長崎シングル介護を考える会
介護者の声 ブログ
https://singlekaigo.jimdo.com/

TOPへ戻る