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仕事と介護の両立コラム

専門職の介護離職と企業の損失

2017.10.10

専門職の働き方・転職に対する意識を解説し、専門職を雇用する企業の両立支援の重要性を解説いたします。

高齢化社会と介護離職

近年、2025年に75歳以上の高齢者人口がピークに達することが予測されている超高齢化社会を目前に控えた我が国において、政府が掲げる「働き方改革」や「仕事と介護の両立支援」など、いわゆる介護離職を防止し働きながら家族の介護を続けられる社会や職場環境の整備が急がれています。
多くの企業においても、また企業内のワークライフバランスや仕事と介護の両立支援を考える人事部などの各部署においても、その対応への動きが高まっていることでしょう。
従業員の、特に、高齢者人口がピークに達することが予測されている2025年に、50代前半の年齢になっている第二次ベビーブーム生まれの従業員が、揃って親の介護のために介護離職の選択をするかも知れないことは、どの分野の企業におかれましても危機感を覚えずにいられない事態でしょう。
50代前半と言えば、多くの場合生産性の高い労働者層として、企業内でも、また社会全体をみても、重要な労働者層にあたります。
まして、専門性の高い専門職として籍を置く従業員であるとすれば、企業としてはなおさら、さらに大きな損失になりかねません。

専門職の介護離職

ここで、ある分野において専門性の高い専門職として企業内に在籍する従業員についてお話します。
専門職とはいえ、親が高齢になったり、または家族の中に病気や障害を患う状況が突如訪れることは誰しもあり得る事態です。
介護や福祉、医療従事者などの、福祉・医療分野で働く専門職においても、まったく同じことが言えるでしょう。そして、仕事と介護の両立に悩み、両立ではなく介護を選択せざるを得ない状況もあるかも知れません。
どのような専門職であっても、それら家族の病気や障害に対する可能性はあり得ますし、仕事と介護の両立における職場環境の整備の充実が、どの分野においても急がれることはもはや必須です。
それら仕事と介護の両立における職場環境の整備がなされていない場合、これまで同様、結果、従業員による介護離職という選択にならざるを得ないことになるかも知れません。
ここで注目すべき点は、より専門性の高い職業に就いている人ほど、もちろん個人差はありますが、その離職への決断はしやすく、これまでの職場との兼ね合いや折り合いというよりも、従業員個人としての意思が強く反映されやすいということです。

専門性を活かした再就職

では、なぜ専門職といわれる職業の方々が、離職への決断を考えやすいのかご説明します。
専門性の高いある分野における専門職として働く人の強み、それはもちろんその高い専門性です。
技術を身に付けることで生涯にわたり働けることや、時代の好不況に影響されにくく、労働としての安定性があります。個人の努力や頑張りが反映されやすく、成果を実感することも個人レベルで可能です。持ち合わせた技術や専門性を雇用側から求められるということは、労働者としても大きな強みとなります。
よって、もしある専門職の方が、仕事と介護の両立に悩み、介護離職の選択を迫られることになった場合、その専門性をもった職業であるという特徴から、次に再就職するイメージも持ちやすいものかと思われます。
一度現在の仕事を辞めても、次はむしろその介護離職の経験をバネに、さらに仕事と介護の両立をしやすい職場環境への転職を考えることも、おそらくそう難しくありません。
これまでのスキルや身に付けた専門性を活かして、中小企業からの介護離職後に、同じ業界の仕事と介護の両立支援の整備が整った、または従業員の働き方に柔軟な姿勢のある大企業に転職するということも選択肢としては十分にあり得るでしょう。
また、企業に対しては厳しいようですが、労働者側としては、仕事と介護の両立に対し整備化されていない労働環境よりも、より良い労働環境を求めて、介護離職後に自分にあった再就職をすることも懸命な判断で決して間違ってはいないでしょう。

企業における専門性の高い従業員を失う損失

上記のように、専門職の方は、その働き方の特徴に自身の努力や頑張りが反映されやすく、労働者側がどこでどう働くかの選択肢を広げることが容易にできやすいということがあげられます。一つ一つスキルアップしていくことも可能ですし、そうすることでより労働環境への選択肢を自身で広げることもできます。
しかしながら、そうなると、企業側にとっては大きな損害です。特に中小企業においては経営危機に直結します。
専門職と言えば、先に述べたように、もちろんその一個人の努力あってのものです。しかし、専門性というものは往々にして、どの分野においても実践の中でその知識や技術が磨かれていくものでもあります。専門職を在籍させる以上、日々の業務の中でその知識や技術を磨く時間が提供されるはずですし、企業としても専門職を育てるということに努力があるはずです。さらに、専門職は、その専門性からも、同業他社または近似職種への転職が多いのも特徴です。せっかく育てた専門職を、仕事と介護の両立に対する労働環境への整備不足から、同業者へ転職させてしまうことは非常に残念なことではないでしょうか。専門職が突如離職するということは、企業にとって、実質的に従業員の数が減ることだけではなく、専門職を育てるために割いてきたものすべてを失い、さらに仕事と介護の両立支援において環境整備を行った同業者へ、これまで育ててきた大切な労働者を提供してしまうことになるかも知れないのです。特に、専門性の高い従業員を雇用されている企業におかれましては、専門職を雇用することの意味や企業における重要性を改めて考え、長い目でみた労働環境の整備が求められるのではないでしょうか。

参照

転職グッド 専門職・技術職に転職
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