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仕事と介護の両立コラム

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介護保険制度における第2号被保険者

2017.10.03


第2号被保険者の介護保険サービスの活用について説明し、仕事と介護の両立支援の可能性について解説いたします。

介護保険制度における第2号被保険者

介護保険制度や要介護認定と聞いて、多くの方がその対象となる人に高齢者をイメージされるかも知れません。
もちろん、65歳以上の高齢者もしくは75歳以上の後期高齢者層の方々が、要介護認定を受け何らかの介護保険サービスを利用していることが圧倒的に多いので、もちろんその一般的なイメージは間違ってはいません。
しかしながら、この介護保険制度は、決して65歳以上の高齢者層のためだけにある制度ではないことも、仕事と介護の両立支援を考える上で押さえておく必要があります。
介護保険制度上、その被保険者は2種類あり、一つは一般的に見聞きすることが多い65歳以上の第1号被保険者、もう一つは、医療保険に加入している40歳以上65歳未満の第2号被保険者です。
この第2号被保険者については、介護保険認定を受けるにあたり、国が定めた特定疾病が原因で何らかの介護が必要となった方が対象となります。

特定疾病とは

国が定めた特定疾病とは、
65歳以上の高齢者に多く発症しているが40歳以上65歳未満の年齢層においても発症が認められるなど、罹患率や有病率等について加齢との関係が認められる疾病であり、医学的概念(根拠)を明確に定義できるもの。
さらに、その疾病を理由に3~6ヶ月以上継続して要介護状態または要支援状態となる割合が高いと考えられる疾病を指します。
例えば、ガン末期(医師が一般に認められている医学的知見に基づき、回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る)、関節リウマチ、初老期における認知症(若年性の認知症)、パーキンソン病などもこれに該当します。
もちろん、16種類すべての疾病について、医師によるきちんとした診断が必要ですし、介護保険認定を申請するにあたり保険者に提出する要介護認定における主治医意見書に、その病名が明確に記載されていることが必要です。
また、この特定疾病においては、介護保険法施行以降も法改正等で追加や見直しがなされていることからも、医療機関や行政の介護保険担当窓口、地域包括支援センター等で、第2号被保険者の特定疾病に該当するか確認されることをお勧めします。特定疾病の中には、骨粗しょう症や糖尿病性疾患、変形性関節症など、その病名だけでは特定疾病に該当するかどうか判断が難しい疾病もあることから、必ず医師の医学的知見に基づいた診断やその診断名が必要です。

第2号被保険者と介護サービス

ここで、介護保険制度における第2号被保険者の事例をご紹介します。
企業で働く男性社員(50代)の妻(40代)が癌を患い、その病状が末期である診断を受けました。
医師より、今後、今以上に病状も徐々に悪化し病床に臥せる日も増える可能性を説明されましたが、妻はなるべく自宅で最期を過ごすことを希望します。
そこで、癌末期の診断を受けてすぐに、夫婦は医師とも相談し介護保険認定を受けることを決めます。
夫は妻と共に医師が作成した要介護認定における主治医意見書を持参し地域包括支援センターを尋ね、介護保険の新規申請を行いました。
通常約1か月もしくはそれ以上の期間がかかる要介護認定ですが、癌末期の診断から早めに認定を受けることが出来ました(癌末期の病状の多くが進行性もしくは急変の可能性があることから、国は各保険者に対し、癌末期の被保険者の要介護認定に対し敏速な対応を求めています)。
結果は「要介護1」の認定でした。
認定後は、介護保険サービスで訪問介護(ヘルパー)利用し自宅にて入浴介助や、夫が留守中の見守りサービスを利用しました。
また、歩行状態が悪化し、通院等の外出が困難になったので、軽度要介護認定者(要支援1、2及び要介護1)に対する車いすのレンタルを担当ケアマネジャーと一緒に検討し、屋外用の車いすをレンタルすることになりました(通常の車いすレンタルは要介護2以上の認定から)。
内服管理や体調管理のための訪問看護は、癌末期の診断から体調悪化時の緊急的な利用の可能性も高く、サービス開始当初から介護保険は利用せずに医療保険にて対応することとしています。その後、病状が徐々に進行する中でより必要なサービスが活用できるように、医師やケアマネジャーとも話し合い、要介護認定の区分変更申請を行いました。夫も、妻の最期はなるべく自宅で過ごしたいという希望に添いながら、仕事と介護の両立を続けています。

介護保険制度を活用する

上記の事例のように、介護保険制度における若年層の40歳以上65歳未満の第2号被保険者においても、要介護認定を受け、介護保険サービスを利用することは疾病により可能です。
もし、自社の従業員の中で、家族に第2号被保険者で介護保険サービスが活用できるような状況の方がいらっしゃいましたら、ぜひ介護保険制度をご紹介されることをお勧めします。
病気を患った本人のためはもちろんのこと、その家族の状況を抱え働く介護者となった従業員においても、介護保険サービスを活用することでより仕事と介護の両立がしやすい環境となることでしょう。
そして、このように制度としては整備されていることであっても、なかなか一般的に知られていない、もしくは情報として行き届いていないような内容を、一つの知識や情報として広く周知されておくことは、仕事介護の両立支援を考える上でも重要なことではないでしょうか。

参照

厚生労働省 介護保険制度の概要
介護保険とは
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/gaiyo/index.html
厚生労働省
特定疾病の選定基準の考え方
http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/nintei/gaiyo3.html
がん治療.com
がんと介護保険・介護認定
http://www.ganchiryo.com/live/ltci.php
一般社団法人全国福祉用具専門相談員協会 ふくせん
介護保険と福祉用具
「軽度者に対する福祉用具レンタル」
http://www.zfssk.com/kaigo/#rental

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