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仕事と介護の両立コラム

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介護休業・介護休暇を取得できる雇用条件

2017.10.03

介護休業・介護休暇を取得できる雇用条件について説明し、各制度が法律のもとに定められていることを解説いたします。

仕事と介護の両立支援が必要とされる背景

政府が、今その政策の中で国民の働き方に対する「働き方改革」を進めていることは、日々の新聞やテレビなどメディアから発信される情報の中で頻繁に見聞きされていることでしょう。
仕事と介護の両立を考えるとき、その中でもまず主な制度としてあげられるのが、介護休業・介護休暇制度ではないかと思われます。
今現在、直接的に家族の介護などに直面していない労働者の方においても、この介護休業・介護休暇制度については、自身の所属される職場の中でも何かしらの動きや変化が始まっており、少しずつ身近なものになっているかも知れません。
日本は、2025年に団塊の世代、いわゆる第一次ベビーブーム世代の方々が75歳以上になる超高齢化社会を迎えようとしています。そして、それら75歳以上になった団塊の世代の方々の介護を家族として担うであろう世代が、子の世代になる第二次ベビーブームの方々であるとしたら、ちょうど50代前半の多くが生産性の高い労働者層にあることが予想されます。
政府が政策として「働き方改革」を進める一方で、各企業においても自社のそう遠くない将来に働きながらの介護を担っている従業員がいることは否めないときが現実的に迫ってきており、大切な労働者を失わないためにも、自社の従業員の仕事と介護の両立支援に取り組むことはもはや必須になりつつあるのです。

制度の対象となる労働者

利用する制度によって対象労働者の規定があります。さらにその対象者に制限をかけるのであれば、労使協定の締結義務があります。
これは時間外・休日労働に関する労使協定、いわゆる36協定とは異なり労働基準監督署への届け出義務がありません。
■介護休業
介護休業は、日々雇い入れられる者は除かれます。
有期契約労働者の場合は同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていることと、取得予定日から起算して93日を経過する日から6か月を経過する日までの間に、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでない労働者であれば、取得は可能です。

ここでの注意点は「日々雇い入れられる者は除かれます」とうたっているだけで、そのほかの労働者に対して「介護休業の申出を拒んでよい」とうたっているわけではないという点です。
つまり、有期契約労働者で、その事業主に継続して雇用された期間が1年未満の方は介護休業を申請できない、とは唱っていないのです。
そこで労使協定が必要になってきます。
①その事業主に継続して雇用された期間が1年に満たない労働者
②申出の日から93日以内に雇用関係が終了することがあきらかな労働者
③1週間の所定労働日数が2日以下の労働者のいずれかに該当する労働者

からの介護休業の申出は拒むことができる、という具合です。
労使協定で規定できる介護休業の対象から除外できる範囲は上記3つが最大限度です。より広い範囲で対象者を規定することはできません。

■介護休暇
介護休暇は、日々雇い入れられる者は除かれます。
また1日の所定労働時間が4時間以下の労働者は、介護休暇の半日単位での取得はできません。

介護休暇の対象に制限をかけるのであれば労使協定が必要です。
つまり、労使協定がなければ、
例えば新入社員が試用期間終了後の入社5カ月目に要介護状態のお爺さんの介護の関係で介護休暇を申請することができるということになります。

労使協定で介護休暇の申請を事業主が拒否できる規定できる最大限の対象範囲は
①その事業主に継続して雇用された期間が6カ月に満たない労働者
②1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
③半日単位で介護休暇を取得することが困難と認められる業務に従事する労働者。

このように、育児介護休業法の中の各制度によって、利用できる労働者が異なります。
また、労使協定で取得対象者を規定している場合がありますので、自分の雇用形態を確認して、労使協定の内容を確認する必要があります。
ざっくり言えば、契約社員だからといって、必ずしも育児介護休業法による各制度が利用できない、ということはない、ということだけは知っておいた方がいいでしょう。

従業員として権利を追行するために

このように、介護休業制度や介護休暇制度は、取得に際しその規定はあるものの、労働者の権利としてきちんと法的に定められているものです。
場合によっては各企業内において対象外とする定めはあるものの、それもまたきちんと労使協定を結び規定されていることですので、労働基準法のもとに設定・管理されています。
企業においては、自社の従業員に対し、それら企業内の規定をきちんと示し周知されることはもちろんですが、従業員においても、自身が勤める企業における従業員に対する諸制度がどのように規定されているのか関心を持ち、従業員としての自身の権利としてきちんと把握されることも大切です。

「仕事と介護の両立支援」「働き方改革」は、あくまで各法律を基に制度化され、そのための法整備が進められています。
企業内においてただ自社独自のものとしてルール化されているものではありません。
法律である以上、知らなければ権利の主張も難しくなるかも知れないのです。

仕事と介護の両立を考えるとき、自社のワークライフバランスを検討される部署におかれましても、また各従業員の皆さんにおかれましても、どうすればこれら諸制度の活用が双方にとって有意義なものとなっていくか、それぞれの立場からきちんと認識され、法律や制度を使いこなしていくことが重要です。

参照

厚生労働省 育児・介護休業法
育児・介護休業制度 ガイドブック
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/
労働組合対策相談室
労働協約と労使協定の違い
http://www.kumiaitaisaku.com/union/kyouyaku04.html

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