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仕事と介護の両立コラム

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仕事と介護の両立とケアマネジメント

2017.05.16


ケアマネジメントにおける仕事と介護の両立支援の現状を紹介し、今後そのためにさらに企業に求められるものを解説いたします。

働く介護者とケアマネジャー

現代の日本において、介護特に高齢者介護を考えるとき、介護保険制度が深く関係してくることは、メディアや新聞などでも介護保険制度や介護保険料について頻回に取り上げられる昨今、多くの方がご存知かと思われます。
また、そのようなメディアや新聞などの情報の中で、ケアマネジャーという職業を耳にすることも多いことでしょう。
実際に介護保険制度を利用する際に欠かせないのがこのケアマネジャーの存在であり、介護サービスを利用する際に本人や家族そしてサービス事業者との間に入り、サービスの調整役を担うのがこのケアマネジャーです。
多くの介護者が家族などの介護に直面した場合、介護の準備を始める初期の頃から最初に出会う専門職の一人です。
近年、介護保険制度の法改正などにおいて、このケアマネジャーが担うケアマネジメント(介護サービス利用におけるプラン作成等)について、プランの中に公的な介護保険サービス以外の支援(インフォーマルサービス)を盛り込むことがケアマネジメントにおける課題と言われています。
その背景には、国の財政問題もさることながら、できるだけ地域の中で介護を担うといった在宅介護に対する意識や方向性が変化してきていることも理由としてあげられます。そして、その傾向は働く介護者が介護をしている家族などのケアプランにおいても例外ではありません。

ケアプラン作成の実態

日本総研が実施した「ケアマネジャー向けの調査結果」によると、介護する家族との関わりについての質問に、「ケアプラン作成時には家族の意見も十分に反映している」といった趣旨の回答が過半数を超える結果が出ています。
しかし、「キーパーソンとなる介護者の職業や勤務形態を把握している」との回答は過半数を割るほか、「介護者の職業特性、勤務形態や労働時間に配慮したケアプランやサービスの提案を行っている」「介護者が仕事と介護を両立できるように、介護保険内のサービスにこだわらず、保険外サービスも紹介・提案を積極的に行っている」との回答は3割強に留まることがわかりました。
また、「介護者の勤務先の介護保険制度について知っている(常に心掛けている)」は「あまりあてはまらない」「あてはまらない」との回答が過半数を超えています。
現代の介護者を取り巻く社会的傾向からも、働く介護者の仕事と介護の両立についてや家族介護者の意向などは重視しつつも、勤務先個別の補助や勤務形態までを担当ケアマネジャーが把握するところまでは至っていない現状が伺えます。
さらに、ケアマネジメントにおける介護保険外のサービスに対するケアマネジャーの認識においても、その必要性について同意する回答は5割を超えるものの、実際に介護保険外サービスを提案するのは「家族からの要望がある場合」に限られるとの回答が多数見受けられました。

ケアマネジャーが考える両立支援の必要性

しかしながら、上記のような実態はあるものの、ケアマネジャーの働く介護者の仕事と介護の両立においての意識としては、「ケアマネジャーとして、キーパーソンとなる介護者の勤務形態や労働時間に配慮したケアプランを作成するべきだ」また「ケアマネジャーは、キーパーソンとなる介護者の仕事と介護の両立に関心を持ち、支援に繋がる提案をするべきだ」との問いに、多くの同意する意見が寄せられています。
比較的、ケアマネジャーの介護保険におけるケアマネジメントについても、介護する家族の仕事と介護の両立に関しては総じて積極的・肯定的な意見であることが伺えます。
担当する利用者がその家族介護者との同居の有無に関係なく、家族が働きながらの介護を担っている現状は、これだけ主に家族介護の立場になりがちな女性の社会進出や働き方の多様化が、また家族形態の変化が尊重されてきた現代の日本において、プランニングの主とするところは要介護者本人の意向であったとしても、その専門職としてのケアマネジャーも避けられない傾向にあるのかも知れません。

より良い両立支援のために

要介護者や介護する家族に対し、専門職としてケアマネジメントを展開するケアマネジャーにおいても、その実態はまだまだ不十分ではあるものの、介護する家族の仕事と介護の両立支援の必要性や、その支援が先では自身が担当する要介護者本人の生活にも大きく影響することを多くのケアマネジャーは認識されています。
アンケートの中にも、介護する家族の仕事と介護の両立支援に対し、家族を支える保険外サービスの充実や働く介護者に対する寛容な職場の風土・上司や経営者の意識改革などへの意見が寄せられています。
しかしながら、前述したようにその意識をケアマネジメントに反映させようとしても、勤務先個別の補助や勤務形態までを担当ケアマネジャーが把握するところまでは至っていない現状があります。
もちろん、ケアマネジャー自身においても、それらの情報を自ら求めプランニングに活かしていく姿勢は必要かも知れません。ただ、企業における自社の従業員に対する仕事と介護の両立支援への取り組みや意向が、十分に社会全体に発信されていない現状も否めません。
企業外部だけでなく、企業内においても自社の従業員に周知されていない現状すら少なくないからです。
企業内において従業員の仕事と介護の両立支援における取り組みの充実と、その取り組み自体を情報発信することは、このような介護保険制度活用の場面においても影響がある大切な要素と言えるでしょう。

参照

日本総研 経営コラム
ケアマネジャー向け調査
介護に取り組む家族の支援に資する民間サービスの普及・促進に関する調査研究事業
https://www.jri.co.jp/

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