Tel:03-6277-5456

仕事と介護の両立コラム

介護離職のない社会の創造を目指すWCB > 仕事と介護の両立コラム > 介護に取り組む家族に対するアンケート調査

介護に取り組む家族に対するアンケート調査

2017.04.25


働く介護者の抱える仕事と介護の両立における現状と課題を解説し、さらに両立のための保険外サービスの重要性についてご紹介します。

社会問題化する仕事と介護の両立

近年、日本では高齢化が進んでおり、それに伴い高齢者の介護に関する様々な課題があげられています。
中でも、「介護離職」など働きながらの介護に関する課題については、国としても対策を急がれているところです。
総務省の平成24年就業構造基本調査によると、平成19年10月から平成24年9月までに総計439,300人の労働者が介護により離職または転職をしています。
そもそも家族形態が多様化する現代において、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年を目前にし、家族の介護、ましてはそれが働きながらの介護となると、一個人ではなく社会全体の大きな課題となることは否めないからです。実際に、日本総研が行った「介護に取り組む家族に対するアンケート調査」によると、「介護における悩み」への回答に「思ったように仕事ができない」との声が多く寄せられています。

働く介護者の仕事と介護の両立に関する認識

上記、アンケート調査によると、「仕事と介護の両立に関する認識」について、身体介護を要する状態の要介護者を抱える働く介護者から、仕事よりも介護を優先し「(両立が)あまりできていない」「まったくできていない」と答える人の割合がやや多い結果となっていることがわかりました。
逆に、介護よりも仕事を優先し「あまりできていない」との回答は女性の正社員に多い結果が出ています。
また、介護休業制度や介護休暇など公的な支援制度に関する認知への質問では、「介護休業制度」を知っている人が3割にも満たない結果となっており、さらに介護休暇を含めどの支援制度に関しても「どれも知らない」との回答が6割弱に達することがわかりました。
このアンケートの対象者が、現在介護が必要な家族を抱えている人であることを考えると、これら公的な支援制度の認知度はまだまだずいぶん低いものだと言えます。また、これら公的な支援制度に関する情報の収集先としては、「(要介護者を担当する)ケアマネジャー」との回答が一番多く、次いで「勤務先(会社)」「インターネットのサイト」となっています。ケアマネジャーから情報を収集するということは、すでに介護体制が大方出来ている状況であり、その他、高齢者の総合相談窓口となっている「地域包括支援センター」や「自治体の窓口」との回答がまだまだ少数であることを考えると、初動の段階でどこを尋ねれば良いのかなかなか認知されていない現状が伺えます。

仕事と介護の両立における課題

これだけ働きながらの介護が社会現象化し、今後もおそらく増えるであろう家族介護の在り方である一方で、先に述べたように働く介護者の認識はさほど変わらず、なかなか改善がみられません。
「仕事と介護の両立を実現する上での問題・課題」について、介護保険制度や会社の(介護者支援)制度についての「情報が少ない」「情報が取りにくい」ことが最多である結果からもそれが見て取れます。
「勤務先に実施して欲しい支援や制度」への回答の中に、「情報提供」や「相談窓口」への期待が、「より手厚い介護休業や休暇制度」といった制度の充実を求める声よりも大きい結果が出ているという点からも明らかでしょう。
働く介護者にとって、仕事と介護の両立における課題や最も改善して欲しい点は、このような「情報の不足」や「相談相手の不足」であると言えます。従業員の働きながらの介護に対する支援を具体的に考える企業の人事部において、まず着手すべき課題とも言えるのではないでしょうか。
しかしながら、「情報提供」や「相談窓口」に働く介護者の支援においてニーズがあるということは、仕事と介護の両立支援を考える企業向けのセミナーやサイト、または介護者支援に関する諸制度の充実が検討される昨今、各企業においても着手しやすい部分かも知れません。

保険外サービスへの期待

また、今回のこのアンケート調査で注目すべき点は、公的保険外の自費サービスに対する関心の高さです。
今現在の既存の自費サービスの中で、最も利用したことが多いサービスは「食事・宅配」に関するサービスでしたが、「利用したことはないが利用をしてみたい」自費サービスの種類では、「緊急時対応のサービス」に次いで、「暮らし・生活・住まい・健康等各種相談対応・サービス紹介」の声が上がっています。
さらに、(介護に取り組む)家族向けサービスである「介護相談(家族向けの相談サービス)」「仕事と介護の両立に関する相談・支援サービス」に関しては、いずれも高い利用意向が寄せられています。
自費サービスに関しても、良いものは積極的に利用したい人が多いことがわかり、自費サービスは仕事と介護の両立において期待されていることが伺えます。
しかしながら、それらの情報源としては、「担当するケアマネジャー」や「インターネットのサイト」が最も多く、勤務先に対し各種情報提供を求める声が大きい一方で、自費サービスに対する情報源としても、勤務先はまだまだ少数である結果が出ています。
いずれにしても、各企業において、働く介護者である従業員やまた今後その可能性のある従業員に対し提供する職場のワークライフバランスにおいて、様々な有効な情報を提供できたり、または然るべき窓口に繋ぐこと、それらのための体制が企業として整備されていることは今後重要となっていくかと思われます。

参照

日本総研 経営コラム
介護に取り組む家族の支援に資する民間サービスの普及・促進に関する調査研究事業
https://www.jri.co.jp/

TOPへ戻る