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仕事と介護の両立コラム

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働く介護者にとって利用しやすい相談窓口

2017.01.10

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働く介護者に多い年齢層の抱える課題を解説し、さらにどのような相談窓口であればより利用しやすいかを事例と共にご紹介します。

働きながら家庭内の課題を抱える労働者

多くの場合、介護は家族の病気や何らかの障害をきっかけに突然始まります。
また、近年、少子化や出産年齢の上昇などを背景に、介護と育児の両方に同時期に直面する「ダブルケア」といわれる状況も珍しくありません。
2016年版厚生労働白書によれば、40代以上の男女を対象に行われた調査で、ダブルケアを「身近な問題と思う」「どちらかというと身近な問題と思う」と回答した人は、合わせて45,4%に上りました。実際にダブルケアをしている人や、これから関わる可能性のある人が増えていることが伺え、家庭への包括的な支援が必要だという指摘もあります。

介護と仕事の両立のための施策

政府は1億総活躍プランにおいて「介護離職ゼロ」の実現を掲げており、介護と仕事との両立支援を進めています。雇用保険関連法も成立し、介護離職対策、育児休業等の様々な関連施策が徐々に施行されているところです。
このように、徐々に労働者の仕事と家庭内での課題の両立に対し法整備が進められているところですが、しかしながら、実際には、まだまだ仕事と家庭内での課題の両立には、不安を覚える人も少なくありません。
オリックスリビングの行った仕事と介護の両立に関する調査によると、特に40代女性は、「両立できる」と回答した人が3%と低く、同社は「子育てと親の介護が重なるダブルケアになりかねず、(介護を)無理だと判断する人が多い」との見解があります。前述のように、結婚や出産年齢の変化から、特に働く40代の人たちの介護と育児が同時期であるという課題は今後も増える可能性があり、同じ家族に対する家庭内の課題とはいえ、その内容から往々にして育児に対して対応の比重を置かざるを得ない場合が多いのが現状かと考えられます。

働く介護者が相談窓口に出向くこと

そして、ここでさらに注目すべき点は、介護問題に直面するであろう可能性が高い労働者の年齢層が40代から50代の人たちであることです。
40代から50代といえば、企業内においても、おそらく働き盛りの生産性の高い労働者層に当てはまります。
各々の職場においても、重要なポストに就かれている人も多いかも知れません。一般的に平日の日中に勤務されている人が多いかと考えられますが、この40代から50代の労働者の人たちが家族の何らかの理由で突如働く介護者となった場合、まず「介護の何がわからないのか、わからない」初動の段階での相談窓口が重要となってきます。
仕事と介護、さらに介護と育児の両立を検討する、まだまだ以前の段階です。そして、忙しく責任あるポストで勤務されているこの人たちが、そうそう勤務時間内に職場を離れ、そのような私用の相談に外部の介護専門の相談窓口に出向くということは現実的に難しい実情があります。

利用しやすい相談窓口

福岡市では、2016年7月に、働く人のための介護相談窓口を開設しました。行政が相談者の対象として、労働者層に特化した介護の相談窓口を設置することは全国的にも非常に珍しい試みです。
「働く人の介護サポートセンター」という名称で、ケアマネジャーの資格を持つ相談員を2名配置しています。月・水・金曜日の週3日は12時から20時まで。日曜日は10時から18時の受付で、市内に住む方や市内で働いている方が利用の対象です。
平日の仕事のあとや、日曜日の相談も可能な時間設定になっており、介護休暇の取得方法や介護保険制度のこと、徘徊探知機の貸し出し案内などまで、仕事と介護の両立に対し幅広い相談が可能です。
この相談窓口が開設された背景には、「介護は個人ではなく、社会全体で取り組むべき問題。1人で抱え込まないで欲しい。」「予備知識もなく利用できる制度も知らないまま仕事を辞めれば、経済的・精神的・肉体的負担は大きい。」という働く介護者や介護離職者が今後増えるであろうことを意識された、政府が掲げている「介護離職ゼロ」実現に向けた行政としての考えがあります。
仕事と介護、そしてその他にも家庭内の何らかの課題を一緒に抱えがちな年代が多い働く介護者にとって、突然始まることの多い介護の相談窓口があり、相談窓口の情報を知っていることはもちろん大切ですが、このように相談しやすい設置になっているかどうかも、早く相談に結び付くまでの重要な要素であり、わからないが故に必要もなく介護離職の決断をしてしまうことや、その生産性の高い労働者層であることからの社会的損失を未然に防ぐことにも繋がることでしょう。企業内においても、もし従業員に対し仕事と介護の両立支援のための相談窓口設置を検討される場合は、ぜひ従業員が働きながら利用しやすい窓口であるかどうかも、一度検証されてみてはいかがでしょうか。

参照

オリックスリビング 介護に関する意識調査
http://www.orixliving.jp/
毎日新聞 改正雇用保険法:成立 介護休業、分割可能に
http://mainichi.jp/articles/20160330/k00/00m/010/064000c
平成28年版厚生労働白書 人口高齢化を乗り越える社会モデルを考える
http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/16/
福岡市 働く人の介護サポートセンター
http://www.city.fukuoka.lg.jp/hofuku/kaigohoken/00/04/4280607.html

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