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仕事と介護の両立コラム

新総合事業とは

2016.11.20

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平成29年4月から全国導入の新総合事業について、その制度内容や目的・はじめられる理由などを解説し、今なぜ新しい制度体制が構築されようとしているのかを解説いたします。

新しい支援体制

近頃、新聞やニュースなどで、「新総合事業」という言葉を耳にすることが増えてきているかと思います。正式な名称は、「介護予防・日常生活支援総合事業」といい、厚生労働省が管轄となる新たな介護支援制度のことです。
現在、介護保険制度は、国が定める介護保険法を基に各市町村や広域連合からなるいわゆる保険者がそのサービスの給付や支援体制を整備しているところですが、この度国を挙げて大々的に新しい支援体制の整備が行われ、開始されるのがこの「新総合事業」です。
そもそも、元来の介護保険法であっても3年に一度の法改正が定められており、その間においても細かな制度整備が行われているところですが、ではなぜ今、国はこの新しい総合事業を始めようとしているのでしょうか。

なぜ新総合事業がはじまるのか

介護保険制度がはじまり16年が経過しました。介護サービスにかかる費用は、公費負担(国・都道府県・市町村)と40歳以上の方の保険料、および自己負担額(各サービス費用の1割または2割)によってまかなわれています。そして実際に、平成12年度の介護保険制度発足当初と比べて65歳以上の方(第一号被保険者数)が増えていますが、それ以上に介護サービスを利用される方が増えてきている現状があります。
そして、現在、我が国では、2025年(平成37年)に、団塊の世代と呼ばれるいわゆる第一次ベビーブームの方々が75歳を迎えるなど少子高齢化が深刻化していくことが予想され、今まさにもう10年を切ったところです。
高齢化人口の増加とともに、要介護認定者数やそれに伴う介護サービスにかかる費用など様々な公費負担は膨らむ一方の現状があります。もちろん、それと同じく、40歳以上の方の保険料も増加しています。
新総合事業は、このような国や国民の負担を少しでも軽減するために、支援を必要とする高齢者の多様な生活支援のニーズを、特に軽度の認定者である要支援認定者に対し地域全体で支え、また要支援認定者が要介護状態となることを防ぐ制度として考えられたものです。

新総合事業の主な内容

新総合事業は、主に三つの内容で構成されています。
一つは、要支援者各人の多様なニーズに対し、要支援者本人が現在持っている能力を最大限に活かしつつ、必要なサービスを提供する仕組み。
二つ目は、生活支援の充実で、高齢者の社会参加を促し日々の生活の中で介護予防の促進を行いながら、支え合いの体制づくりや関係者間の意識共有と自立支援に向けた生活支援サービスの推進。
そして三つ目は、住民主体のサービス利用で、要介護認定に至らない高齢者の増加や重度化の予防促進により、結果として費用の効率化を図ることです。
つまり、新総合事業は、要介護認定の有無に限らず65歳以上のすべての人を対象とした各保険者(市町村)が実施する介護予防事業であり、介護保険の認定を受けなくても一人ひとりの生活に合わせた介護予防サービスを利用できるようになるものです。

新制度が目指しているもの

このように新総合事業は、各保険者(市町村)が中心となって、地域の実状に応じて住民等の地域の多様な主体が参画し、それによって多様なサービスを充実させることで、地域の支え合いの体制作りを推進し、要支援者等に対する効果的かつ効率的な支援を可能とすることを目指しています。
もちろん、これまでのように必要な時に既存の介護保険サービスを利用することは間違った選択ではありませんし、総合事業が開始されてもそれは可能です。
ただ、高齢者人口の増加やそれに伴うサービス利用の増加は避けられない現実であり、その病気や障害の程度からもより専門性の高い介護サービスを必要とする重度の要介護者に対し必要なサービスが十分に提供されるためにも、軽度の要支援者に対するサービス提供における内容の見直しや介護予防の推進は、今求められることの一つかも知れません。
新制度の導入時には混乱がつきものです。地域性や資源の質・量などの課題は山積みのようです。
理想や目標はあってしかるべき。その理想や目標に近づけるために、いま何をするべきなのかを一人一人が考えることも必要ではないでしょうか。

参照

厚生労働省 介護予防・日常生活支援総合事業
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000074126.html

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